シニア犬にストレスは禁物!ストレスサインを見落とさないで

愛犬に元気で長生きしてもらうためには、ストレスフリーな生活をさせてあげることが大切です。ここでは高齢になった犬がどんなことにストレスに感じるのか、またストレスを感じた時に示すサインやその対処法について解説しています。

ストレスのせいで体調が急変することも

シニア犬になるとちょっとしたストレスで体調が急変してしまうことがあります。若い頃は平気だったことでも、年を取るとストレスに感じてしまうことがあるのです。高齢犬がトリミングサロンやペットホテルで利用を断られることがあるのは、そのような背景もあります。愛犬に元気で長生きしてほしいと願うなら、ストレスフリーの生活を心がけることが大切です。

シニア犬特有のストレス

若い頃はなんともなかったはずのことが、年を取ると大きなストレスを与えてしまうこともあります。ここではシニア犬によくあるストレス要因をご紹介します。

今までできていたことができなくなるストレス

シニア犬になると、若い頃には当たり前のようにできていたことが徐々にできなくなっていきます。自力で登れていたソファーに登れなくなったり、昔のように元気に走れなくなったり、トイレを失敗してしまうことも増えるでしょう。思うように体が動かないもどかしさから、ストレスを感じることがあります。

感覚機能の低下によるストレス

年とともに目が見えにくくなったり、耳が遠くなったりするのは人も犬も同じです。視力が衰えて物が見えにくくなると、それだけでもストレスになりますし、歩行中よく見えないせいで障害物にぶつかるようになれば、さらに大きなストレスを感じるようになるでしょう。また、耳が聞こえにくくなって周囲の気配を感じ取れなくなることで、不安も大きくなります。

体の痛みによるストレス

シニア犬になると色々な病気にかかりやすくなります。関節炎やヘルニアなどは高齢の犬によく見られる疾患で、慢性的な痛みが出ることも多いです。これらの病気によって食事中や歩行時に痛みが出るようになると、食べること、歩くこと自体を嫌がるようになるり、QOL(クオリティオブライフ・生活の質)が大きく低下してしまいます。

生活の変化によるストレス

生活が変わってしまうことは、高齢犬にとって大きなストレスになります。引っ越しなどで環境がガラリと変わってしまうことはもちろん、一緒に暮らしている家族に変化が起きることも犬にとってストレスを与えることがあるので注意しましょう。

例えば、いつも家にいたはずのお母さんが仕事を始めて突然お留守番の時間が長くなったり、一緒に育ってきた子どもが進学や就職で家からいなくなってしまったり、家族の誰かが亡くなってしまったりすると、犬にとって大きなストレスになります。また、赤ちゃんが生まれて家族が増えるときも生活環境が大きく変わるタイミングなので、なるべく愛犬に負担がかからないよう気をつけてあげてください。

特に新しい犬を迎えるときは要注意!

先住犬が年を取ったとき、寂しいからという理由で新しく犬を迎える方もいらっしゃいますが、その場合は特に注意が必要です。二匹の相性がよければ、新しく迎えた子のおかげで先住犬が元気になることもあるのですが、相性が悪いと老犬にとってかなりのストレスになります。高齢で体が弱っている先住犬は、元気いっぱいの子犬に比べるとどうしても弱い立場になりやすく、新しく犬を迎えることで急激に体調が悪化することも考えられます。どうしても新しい子を迎えたいときは、ペットショップではなくトライアルをさせてくれるブリーダーや保護団体から引き取るのがオススメです。ブリーダーや保護団体によっては、先住犬と新しい犬との相性を確かめてからお迎えすることができるので、事前に先住犬がいること、二匹の相性を見させてほしいことを伝えておくといいでしょう。

愛犬のストレスサインを見落とさないで!

犬はストレスを感じると、仕草や行動に現れることがあります。普段から愛犬の様子をよく観察し、ストレスサインがあった場合はすぐにサポートしてあげてください。

老犬によくあるストレスサイン

犬は不安なことや怖いこと、不満に思っていることがあるときに、以下のような仕草をすることがあります。愛犬の違和感に気づいたらストレスの原因を探り、できる限り早く原因となっているものを取り除いてあげましょう。

  • 震える
  • 尻尾を下げる
  • 体をこわばらせる
  • あくびをよくする
  • 体をかく
  • 足を舐める
  • 舌なめずりをする

こんな症状が出たらすぐに動物病院へ

シニア犬はストレスから体調を崩してしまうことがあります。以下の症状が現れたらすぐに動物病院を受診してください。

  • 血便
  • 血尿
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 脱毛
  • 食欲不振

若い頃は少し様子を見てから動物病院に連れていくかどうか判断するケースもあったと思いますが、シニア犬の場合は体調が急変してしまうことも多いです。また、これらの症状はストレスが原因で引き起こされることもありますし、なにか病気が隠れている可能性もあります。すぐにかかりつけの獣医師に診てもらいましょう。

年をとった愛犬からストレスを取り除くために

年をとった愛犬にできるだけストレスフリーな生活を送ってもらうために、飼い主さんにはどんなことができるでしょうか。

生活環境を整える

床は滑りにくい素材へ

老犬になると足腰が弱くなり、少しの段差でつまづいたり、床で滑ってうまく歩けなくなったりします。特にフローリングは滑りやすいので、滑りにくいカーペットやタイルマットなどを敷いてあげると歩きやすくなりますし、万が一転んでしまった際も怪我を防ぐことができます。

スロープなどで段差対策を

足腰が弱くなると、今まで難なく移動できていた段差に苦戦するようになります。お気に入りのソファーやお散歩の行き帰りで通る玄関の段差などを自分で上り下りできなくなるのです。上り下りの頻度が高いところには、スロープや犬用ステップを設置してあげるといいでしょう。

怪我防止の対策もしっかり

犬は視力が低下しても、ある程度は家具の配置を覚えているので、歩き慣れたお家の中であれば問題なく歩くことができます。そのため、愛犬が年を取ってからはあまり家具の配置を変えないようにしましょう。もし、よくぶつかる家具がある場合は、その家具だけ移動してあげたり、家具の角にクッション材を貼ってあげると怪我を防ぐことができます。

体調に合わせた生活を

シニア犬になると体力も徐々に衰えていきます。元気に過ごしてもらうためには、体調に合わせて無理をさせないことが大切です。

お散歩は無理のない範囲で

足腰が弱くなると、お散歩に行ってもあまり歩きたがらないこともあるでしょう。そんな時は無理をせず、早めに切り上げたり、こまめに休憩を取るなどの工夫をしてあげてください。ただ、ずっと寝かせたままにしているのもよくないので、歩けないときは抱っこやカートで外の空気を吸わせてあげるといいでしょう。

とにかく時間短縮!

トリミングやシャンプーをするときは、衛生面を重視して、できるだけ短時間で終わらせてあげましょう。凝ったデザインではなく、清潔感を保ちやすいカットを心がけてください。シャンプーをするときもいきなり全身洗うのではなく、一回あたりの時間を短縮できる部分洗いがおすすめです。

フードも工夫して

歯が悪くなると硬いドライフードを食べにくくなり、食欲が落ちることがあります。そんなときはぬるま湯などでふやかしてあげると食べやすくなります。また、食事中の体勢がつらそうな場合には、食器を乗せる食事台を使うのもおすすめです。立ち続けるのが辛いなら、伏せの体勢で食べさせてあげてもいいでしょう。ただし、伏せをしたまま食事をするときは、誤嚥を防ぐために顎から胸の下にクッションをあてがうなどして、体勢を支えてあげてください。

突然体に触らない

視力や聴力が低下すると、突然体を触られることにビックリして、大きなストレスになることがあります。中には驚きのあまり反射的に噛んでしまう犬もいます。愛犬に触わるときは、あらかじめ犬から見える場所に飼い主さんが移動してあげる、手を伸ばす前に声をかけてあげるなどして、驚かさないよう工夫してあげてください。

動物病院で健康診断

シニア犬は様々な病気のリスクが高くなるので、健康な状態であっても、できれば年に2回は動物病院で定期健診を受けるといいでしょう。飼い主さんが見落としている病気を早期発見できることもありますし、年齢とともに現れる変化にどのように対応すべきか、獣医さんにアドバイスをしてもらうこともできます。獣医さんと定期的にコミュニケーションを取って信頼関係を構築しておくことで、シニア犬との日々を安心して過ごすことができるでしょう。

室内でできるストレス発散方法

シニア犬になると、お外に出る機会が減り、室内で過ごす時間が多くなります。ストレスを溜めさせないためにも、室内でストレスを発散させてあげる必要があります。窓際にベッドを置いて日向ぼっこをさせてあげたり、大好きなオモチャを使って一緒に遊んであげるだけでも、ストレス発散になるでしょう。のんびりマッサージやブラッシングをしてあげるのもおすすめ。飼い主さんとスキンシップをすることでストレス発散にもなりますし、体の異常にも気付きやすくなります。

最後に

愛犬が年を取ってきたら、できるだけストレスを溜めさせないようにしましょう。もしもストレスサインが見られたら早急に原因を探り、対処してあげてください。どんな対策を取ればいいか迷ったときは、かかりつけの獣医さんに相談してみましょう。