愛犬が年を取ってから多頭飼育する時の注意点は?相性のいい犬を迎えるために

愛犬が徐々に年を取ってくると、寂しさや不安からもう一匹新しい犬を迎えたいと考える飼い主さんもいるでしょう。しかし、愛犬にかかるストレスを考えると、なかなか行動に移せない方も多いのではないでしょうか。ここではQooppy編集部より、できるだけ先住犬に負担のかからない多頭飼育の始め方をご提案させて頂きます。

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シニア犬がいるお家に新しい犬を迎えるということ

シニア犬と暮らしている飼い主さんの中には、いつかやってきてしまう愛犬とのお別れのことを考えて、今のうちに二頭目を迎えたいと思っている方もいるでしょう。とはいえ、安易に二頭目を迎えてしまうと、年を取った先住犬に大きなストレスがかかってしまい、飼い主さんにとっても犬たちにとっても不幸な結果になるかもしれません。シニア犬は若い頃よりもストレスを感じやすく、ストレスによって体調を崩しやすいため、愛犬が年を取ってから犬を迎える場合は特に注意が必要です。

多頭飼育は犬同士の相性が全て

シニア犬は環境の変化が苦手

年齢とともに視力や聴力が衰え、若い頃にできていたはずのことが徐々にできなくなると、不安や緊張を感じやすくなるのは犬も人間も同じです。そもそも、犬は環境の変化をあまり好まない生き物。シニアになると今まで以上に変化が苦手になり、環境が大きく変わることによって体調を崩してしまうことも珍しくありません。

相性が悪いと悲劇

多頭飼育がうまくいくかどうかは、犬同士の相性で全てが決まります。どんなに可愛い子犬を迎えても、犬たちにとってどんないい環境を用意しても、犬同士の相性が悪ければ楽しい日々を過ごすことは難しくなります。

特に体力が衰えているシニア犬のいるところに元気いっぱいな子犬を迎えてしまうと、どうしてもシニア犬の方が立場が弱くなりやすいです。長年一緒に暮らしてきた先住犬の苦しむ姿を見て、新しく犬を迎えたことを後悔するようになるかもしれません。

相性がいいとシニア犬が元気になることも

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一方、相性のいい犬を迎えることができれば、家族みんな幸せな日々を過ごせるだけでなく、先住犬が元気になることもあります。お留守番中の孤独が解消されたり、新しい犬に刺激を受けていきいきしたり、食欲が増したりすることもあるのです。

そして、いつか長年連れ添った愛犬とお別れする日がやって来たとき、深い悲しみを感じている飼い主さんにとって、きっともう一匹の存在が心の支えになってくれるでしょう。

犬同士の相性は迎えてみないとわからない

犬の相性については色々なことが言われていますが、結局は迎えてみないとわかりません。一般的には相性がいいと言われる組み合わせでも、いざ迎えてみると残念な結果になってしまうことも少なくないのです。人間に置き換えてみるとわかりやすいかもしれませんね。

子犬と成犬

一般的に、シニア犬と子犬はあまり相性の良い組み合わせとは言えません。疲れやすく、眠る時間も長くなるシニア犬が、元気いっぱいの子犬の生活に付き合うのは難しいでしょう。

ただし、シニア犬と子犬が絶対NGかというと、そうとは限りません。

先住犬が子犬の面倒をよく見てくれて、今まで以上にいきいきとするケースもあります。また、先住犬が犬嫌いな性格の場合、すでに自分のライフスタイルができ上がっている成犬を迎えるよりも、順応性の高い子犬を迎えた方がうまくいくこともあります。

性別

オス同士の組み合わせ、メス同士の組み合わせは相性がよくないことが多いです。そのため、一般的には同性よりも性別を分けた方がうまくいくと言われています。ただし、性別がバラバラでも相性が悪い可能性は十分にあります。「性別がバラバラだとうまくいく」と安易に考えない方がいいでしょう。

 家の中と外で関係性が変化することも

「うちの子は犬嫌いだから多頭飼いは無理。」と考えている飼い主さんは多いかもしれませんね。一方で、「うちの子はお外でたくさんのお友達と遊べる社交的な性格だから、多頭飼いに向いている。」と考える飼い主さんもいると思います。しかし、家の中と外では犬同士の関係性が変化することがあるため、これも一概に正しいとは言い切れないのです。

他の犬は大嫌いなのに、同じ家で過ごす犬だけは家族として受け入れている犬もいますし、外で他の犬と仲良くしていても、自分の家に入ってきた犬に対して威嚇行動を取る犬もいます。

体の大きさはできるだけ近い子を選んで

このように、犬同士の相性の良し悪しは一緒に暮らしてみないとわかりません。ただ、一つ言えるのは、体のサイズは先住犬とできるだけ近い子を選んで欲しいということです。例えば先住犬が2kgしかない小型犬の場合、中型犬〜大型犬の子犬を迎えてしまうと、相性の問題以前に体格が違いすぎて先住犬が怪我をしてしまう可能性があります。そのため、新しく犬を迎えるときはできるだけ体格の近い子を迎えるようにしましょう。

相性のいい犬を迎えるために

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犬同士の相性は、迎えてみるまでわかりません。相性が合わない犬を迎えてしまうと、人間にとっても犬にとっても不幸です。では、犬たちの相性を確かめるためにはどうしたらいいのでしょうか?

実際に一緒に暮らしてみる

犬同士の相性を確かめるのはそんなに難しいことではありません。お試し期間を設けて、実際に一緒に住んでみるといいのです。相性が良ければそのまま一緒に暮らし、相性が悪ければ元の生活に戻せたらいいですよね。

「そんなことできるはずない。」と思われるかもしれませんが、犬を迎える方法を工夫すれば、それは難しいことではありません。

どこからお迎えする?

犬を迎えるとき、おそらく多くの方が新しい犬をペットショップで探そうとするでしょう。しかし、ペットショップは基本的に一度購入したらお店に返すことはできません。ではどこで迎えたらいいのでしょうか?Qooppyがオススメしているのは、保護犬を迎えるという選択肢です。

保護犬もさまざま

一概に保護犬と言っても、保護されるまでの経緯は様々です。心ない飼い主に捨てられた子もいれば、飼い主のやむを得ない事情から譲渡された子もいます。元野犬だった雑種犬もいれば、ブリーダーの多頭崩壊からレスキューされた純血種もたくさんいます。「保護犬って人間が苦手だったり病気があったりするんじゃないの?」というイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、実際は人懐っこくて、人間とも他の犬とも仲良くできる、元気な犬もたくさんいるのです。

犬たちの年齢も幅広く、元気いっぱいのパピーちゃんから落ち着きが出てくる3〜5歳程度の成犬、穏やかな日々を過ごしているシニア犬までさまざまです。先住犬と相性のいい犬を迎えたいのであれば、幅広い出会いがある保護犬という選択肢はとってもオススメなのです◎

トライアル期間で相性を確認できる

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Qooppyが保護犬をオススメしているのは、幅広い出会いがあるからという理由だけではありません。保護犬という選択肢の一番大きなメリットは、トライアル期間中に実際一緒に暮らしてみて、犬同士の相性を確認することができるということです。

「お試しなんてなんだか悪い気がする…。」と思う方もいるかもしれませんが、トライアルというのは人にとっても犬にとっても、いいこと尽くしの制度です。保護団体としても、せっかく保護した大切な犬たちを見ず知らずの人に譲渡するのは不安があります。譲渡希望者が本当に犬を大事にしてくれる人なのか、トライアル期間中に確かめておきたいのです。

トライアル期間を経て、問題なく一緒に暮らせるようであれば、晴れて正式な家族としてお迎えすることができます。

保護犬を迎える上での注意点

先住犬がかなり高齢で、体力的にも弱ってしまっている場合には、どんなに短期間であっても環境を変えることは避けた方がいいでしょう。良心的な保護団体の場合、そのようなケースでは先住犬にかかる負担が大きいため、そもそもトライアルをさせてもらえないと思います。

また、どの保護団体から譲渡してもらうのかもしっかり考えておきたいポイントです。一概に保護団体と言っても色々な団体がいて、残念ながら中には「犬猫を助けたい」という気持ちだけで運営がうまく回っていない団体や、あまりよくない団体も存在しています。そして、そういった団体はトライアル期間を設けていないことが多いです。

まずはトライアル期間がきちんと設けられているかどうか確認してください。保護犬をお迎えしたあとで色々な病気にかかっていることが発覚するなどのトラブルを避けるためにも、適切な方法で犬たちを保護している、しっかりした団体を選びましょう。

最後に

シニアになった愛犬への配慮から、もう一匹新しい犬を迎えることを諦めていた飼い主さんは多いでしょう。でも保護犬なら、犬同士の相性を確かめてからお迎えすることが可能です。保護犬を迎える選択肢なんて考えたこともなかった、という方も多いと思うので、まずは『もう一匹迎えたい飼い主さんへ』を読んで、保護犬への理解を深めてみてください。