老犬のトイレの失敗。介護のポイント、みんなの工夫を紹介します!

シニア犬になるとトイレの失敗が増えてきますが、シニア期の粗相は子犬の粗相と異なり、しつけやトレーニングで改善することは難しいです。愛犬が歳を取ってトイレを失敗するようになったら、飼い主さんはどのように対処したらいいのでしょうか?ここでは動物の行動治療に詳しい獣医師、菊池先生にお話を伺います。

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老犬のトイレの失敗はしつけで改善できますか?

シニア犬になってからトイレの失敗が増えるのは、珍しいことではありません。トイレ以外の場所で粗相をしたり、トイレシートからはみ出したり、排泄物の上に座り込んでお尻を汚してしまうこともあります。中には寝ているときにお漏らしをして、体を濡らしてしまう場合もあるでしょう。

ただ、高齢になってからのトイレの失敗は、しつけで改善されないケースがほとんどです。むやみに叱ったりせず、愛犬が快適に過ごせる環境を整えて、上手に付き合っていきましょう。

老犬がトイレを失敗する原因を教えてください

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失敗の原因① 病気によるもの

老犬になると様々な病気にかかりやすくなります。病気が原因でトイレを失敗するようになることもあるので、老犬がトイレを失敗するようになったときは年齢のせいと決めつけず、早めに動物病院を受診しましょう。例えば、膀胱や腎臓、前立腺などの異常や、糖尿病などの病気にかかるとトイレを失敗しやすくなります。また、認知症を発症しているときにもトイレの失敗が増えます。もしくは、椎間板ヘルニアや関節症で体に痛みがあり、トイレまで移動するのがつらいのかもしれません。

〜考えられる主な病気〜

  • 腎臓病
  • 肝臓病
  • 子宮蓄膿症(避妊手術をしていない高齢犬は要注意)
  • 糖尿病
  • クッシング症候群
  • 副腎皮質機能低下症
  • 膀胱炎
  • 腫瘍、ポリープ
  • 関節疾患
  • 椎間板ヘルニア
  • 前立腺肥大症
  • 認知症など

これらの病気の中には、「多飲多尿(お水を大量に飲み、大量におしっこをすること)」の症状が現れることもありますので、トイレの失敗が気になる、トイレの回数が増えたように感じるときはお水を飲む量にも注意しておくとよいでしょう。飲水量をチェックする方法はこちらの記事で詳しく解説しています。

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失敗の原因② 体力の衰えによるもの

高齢になって足腰の力が衰えると、トイレの場所まで間に合わずに粗相をしたり、膀胱におしっこを溜めておく力が弱くなってお漏らしをしてしまったりします。また、年を取ると筋力の低下や消化機能の衰えから便秘や下痢になりやすく、踏ん張っている時によろめいてトイレシートからはみ出してしまったり、急に便意をもよおしてトイレに間に合わないことも多くなります。

失敗の原因③ 不安が原因のことも

いつもはきちんとトイレでできているのに、飼い主さんが外出してお留守番をしてもらっている間に限って失敗することもあります。年を取って目が見えにくくなったり、体が思うように動かなったりすると、犬自身も不安を感じるようになります。若い頃以上に、飼い主さんがそばにいてくれないと不安になってしまって、つい粗相をしてしまうのは珍しいことではありません。

このようなケースでは、分離不安を発症している可能性があるので注意が必要です。分離不安とは飼い主さんから離れることで極度の不安を感じる心の病気で、高齢になると発症リスクが高まります。分離不安についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、気になる方はぜひご覧ください。

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トイレの失敗が増えたらどうすればいいですか?

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まずは動物病院へ

愛犬がトイレを失敗するようになったら、まず何が原因なのかを把握しましょう。足腰が弱ってトイレに間に合っていないのか、それとも気持ち的な問題なのか、それとも病気が隠れているのか…。トイレを失敗する原因によって対処法は変わってきます。ただ、飼い主さんが自分一人で原因を解明することは難しいので、まずはかかりつけの動物病院を受診しましょう。動物病院では原因を調べられるだけでなく、どう対処すればいいのか、具体的なアドバイスをもらえることもあります。

失敗を責めないで

粗相が続いて何度も片付けをしなければならない時、飼い主さんもついイライラしてしまうことがあるでしょう。また、トイレの失敗が増えたことで、愛犬が年老いた事実を突きつけられたような気がして、悲しい気持ちになってしまうこともあるかもしれませんね。

しかし、犬も失敗したくてしているわけではありません。思うように体が動かないだけかもしれないので、なるべく叱らないであげてください。また、以前できていたことができなくなっていることに、犬自身が強い不安を感じている可能性もあります。飼い主さんがトイレの失敗に対して負の感情を表に出してしまうと、犬はますますナーバスになってしまい、余計にトイレを失敗するようになることもあります。

サッと片付ける

反対に、トイレを失敗するたびに「あら〜、粗相しちゃったのね〜。」などと優しく声をかけていると、構ってほしさからわざと粗相をするようになることもあります。愛犬がトイレを失敗したときは、叱るのも構いすぎるのもNG。まるで何事もなかったかのように、サッと片付けてあげるのがベストです。

トイレの介護はどのようにしたらいいですか?

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動物病院で診てもらってトイレを失敗する原因がわかったら、その原因に応じて対策をしてあげましょう。環境を整えてあげると上手にトイレができるようになることもありますし、何より飼い主さんの負担を減らすことができます。

ちなみに、介護は「できないことだけサポートする」のが基本です。できるだけ自分でトイレができるよう、工夫してあげましょう。愛犬が可愛くて、できるだけ手を貸してあげたいと思われるかもしれませんが、なんでも飼い主さんがサポートしてしまうと、そのうちできることまでできなくなってしまいます。

体勢が上手に取れないときは、どのように工夫したらいいでしょう?

トイレシートを広げる

トイレの場所が狭いと体勢を上手に定められなかったり、ふらついてシートからはみ出してしまうことがあります。トイレシートを複数枚重ねたり、トイレトレーのサイズを大きくしてトイレの場所を広げてあげると、しっかり体勢を定められるようになって失敗しにくくなります。

トイレシートを敷き詰めるのが大変なときは、大判の洗えるトイレシートや赤ちゃん用のおねしょシーツなどを使うと、設置も取り替えも楽になります。

ちなみに、子犬がトイレシートをかじるのはわりとよくあることですが、シニア犬がトイレシートを食べるようになったときは注意が必要です。胃腸機能の低下や内分泌疾患、薬の副作用、認知症などの原因が考えられるので、早めに動物病院で診てもらうようにしましょう。

トイレシートで滑らない対策を

愛犬の足腰が弱くなったときに、フローリング対策をされる方は多いと思います。でも、意外と見落としがちなのがトイレシート。滑りやすい床の上にトイレシートを置いていたら、本体がズレたり滑ったりしますし、踏ん張る力の衰えた子にとってはトイレシートの上も滑りやすいのです。そのため余計に体勢を維持するのが難しく、失敗することが増えてしまいます。そんな時はトイレシートの上に滑り止めマットを敷くなどして、滑りにくい環境を整えてあげましょう。

 

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広い範囲にトイレシートを敷き詰めて使いたいなどは、トイレシートの上に汚れてもいいバスタオルを置いてあげるのもおすすめです。

 

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足腰の筋力を鍛える

高齢になってあまり動きたがらなくなった愛犬を見て、「できるだけゆっくりさせてあげたい。」と思うかもしれませんが、そのままにしているとますます筋力が衰え、よりトイレを失敗するようになってしまいます。さらに筋力が衰えると寝たきりになってしまう可能性もあるので、愛犬の足腰が弱ってきたら早めにケアをしてあげましょう。

もちろん無理は禁物ですが、愛犬のペースに合わせてお散歩、マッサージ、トレーニングなどをしてあげることで、弱った足腰を鍛えることができます。足腰のトレーニングについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください。

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体を支えてあげる

トイレ時の体の支え方

筋力の衰えからトイレの途中でふらついてしまう場合は、排泄時に飼い主さんが腰を支えてあげることでトイレの失敗を防ぐことができます。初めのうちは慣れないことに犬が嫌がるかもしれませんので、そんなときは一旦サポートをやめて、また他のタイミングで試してみてください。根気よく続けることが大切です。

トイレに間に合わないときはどのように工夫したらいいでしょう?

トイレの場所を増やす

トイレが遠いと行き着くまでにお漏らししやすくなってしまうので、トイレの場所を増やしてみてください。普段愛犬が寝ている場所の近くにトイレを設置してあげるのもおすすめです。寝ている時にお漏らしをしてしまう場合は、あらかじめ寝ているところにペット用のシートを敷いてあげるとよいでしょう。トイレシートの上に直接寝かせることに抵抗があるなら、赤ちゃん用のオネショシーツを敷いてあげるのもおすすめです。

 

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トイレの場所を見直す

足腰の筋力が低下しているシニア犬は、滑りやすいフローリングの上にトイレがあると、踏ん張りがきかずに上手く排泄できません。また、トイレの設置場所が玄関などで、段差を降りたり上ったりしなければならない場合も、トイレに辿り着けなくなる可能性が高くなります。そんなときはトイレの場所を見直してあげましょう。ただし、犬はキレイ好きな動物なので、ごはんを食べる場所やお水を飲む場所とトイレは離してあげるといいですよ◎

また、トイレトレーを使っているのなら、できるだけ段差が少ないトレーがおすすめです。シニア犬になるとちょっとした段差を上ったり飛び越えたりするのが大変になってくるので、トレーの高さも見直してみてください。

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トイレに連れていく

就寝前や食後など、決まった時間にトイレに行く習慣がある場合や、ソワソワする、くるくる回す、匂いを嗅ぐなど、トイレに行きたそうなサインを出してくれる場合は、飼い主さんが誘導してトイレに連れていってあげるのも効果的です。トイレまで間に合わないことが多いなら、抱っこして連れていってあげてもよいでしょう。

ウンチで体が汚れてしまう時はどうしたらいいでしょう?

お尻まわりの毛をカットして

毛が長いとウンチがくっついたり絡まったりして、体が汚れやすくなります。お尻周りの毛は短めにカットしてあげましょう。ただし、あまりにも短く刈り上げてしまうと、ウンチが皮膚についてかぶれやすくなることがあります。獣医師やトリマーさんに相談しながら、清潔な状態を維持しやすいカットにしてあげてください。

トイレの後はすぐに片付けを

筋力がないとしゃがむ姿勢が辛くなるだけではなく、そこから元の体勢に戻るのも時間がかかってしまいます。ときにはそのままペタンと尻もちをついてしまい、体を汚してしまうこともあるでしょう。体が汚れると犬にとって大きなストレスになりますし、皮膚炎などの病気の原因にもなります。排泄の後はできるだけ早く犬をトイレから離し、排泄物を処理してあげてください。

飼い主さんが外出中などですぐに片付けてあげられない時は、うんちをキャッチしてくれるオムツを活用するのもおすすめです。

 

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下痢気味の場合はフードの見直しも効果的

シニア犬は胃腸の働きや消化液の分泌が衰えることから、今まで食べていたフードが合わなくなって下痢気味になることがあります。もし軟便や下痢になっていることでトイレの失敗が増えているのなら、消化の良いフードに切り替えてあげることで改善が期待できます。

消化機能が衰えるハイシニア期ならではのフードの選び方、ハイシニア期におすすめなフードについてはこちらの記事をご覧ください。

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オムツはいつ頃からつけ始めるといいでしょうか?

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愛犬のトイレの失敗が増えてきたら、犬用オムツを検討する飼い主さんも増えてくるでしょう。ただ、トイレで粗相を繰り返すようになってから慌てて犬用オムツを着用させても、犬がひどく抵抗してうまくいかないこともあります。そのため、シニア期に入ったらトイレを失敗するかどうかに関わらず、早めにオムツの練習を始めておくとよいでしょう。最初は短い時間だけ着用し、少しずつ時間を伸ばして慣らしていきます。詳しくはこちらの記事で解説しているので、あわせてご覧ください。

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外でしかトイレできない場合はどうしたらいいでしょう?

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室内トイレをできるようにしておこう

室内でトイレをする習慣がないままシニア期を迎えると、筋力の衰えによって散歩の回数や距離が減り、思うように排泄できなくなってしまうことがあります。また、気温の高い日や寒すぎる日は、外に出ること自体が犬にとって負担となるため、飼い主側もお散歩を躊躇ってしまいますよね。必然的に犬は長時間トイレを我慢することになり、膀胱炎や腎臓病などにかかりやすくなります。

お外でしかトイレができない子たちにとって、お家の中はあくまで生活する場所。汚したくない大事な場所なのでしょう。こうした長年の習慣を変えることは難しく、外に出られないと体調が悪くなるまでトイレを我慢してしまうこともあります。室内でもトイレできるよう、できるだけ早めにトレーニングしておくことをおすすめします。

老犬とトレーニングするときの心構え

室内トイレのトレーニングは、できればシニア期に入る前からしておくことが理想ですが、シニア期に入ってから始めるのでも遅くはありません。ただ、熱心に教えようするあまり、つい叱ってしまうことのないように注意しましょう。長年、外でトイレをすることが当たり前だった子にとって、年を取ってからその習慣を変えるのはとても難しいものです。シニア期のトイレトレーニングは長期戦を見据え、気長に向き合ってあげてください。

室内でのトイレトレーニングの方法を教えてください

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犬がトイレを覚えるときに拠り所とするものは、①肉球の感覚(トイレシートを踏んだ感覚)と②場所、③飼い主さんのかけ声や「トイレ」という言葉です。

  • 踏んだときにゴワゴワした感じがする場所(トイレシートの上)はトイレをしていいところ。
  • ここはトイレをしていいところ。
  • 「ワンツー」「シーッ、シーッ」などの掛け声や、「トイレ」などの言葉をかけられたときはトイレをしていいタイミング。

このどれかを覚えてもらうことができれば、トイレトレーニングは成功します。

老犬のためのトイレトレーニング①

トイレの場所を決めたら、そこをケージで囲います。(※トイレの場所を決めるときは「トイレの場所を見直す」を参考にしてください。)ケージ内にトイレシートを敷き詰め、おしっこをしそうな気配があればケージの中へ連れて行き、排泄を促してみましょう。トイレシートの上で排泄ができるようになったら、トイレシートを徐々に減らしていきます。トイレシートの上で排泄ができたら、その都度しっかり褒めてあげ、おやつをあげるとより効果的です。

老犬のためのトイレトレーニング②

外でトイレをする場所が決まっているなら、お散歩に出かけるとき、トイレシートを持参します。そして、いつものトイレスポットにシートを敷き、シートの上で排泄をするよう促します。トイレシートの上での排泄に慣れてきたら、トイレシートを置く場所を少しずつ自宅へと近づけていきましょう。お散歩ルートから玄関前、玄関前から玄関内、玄関内から室内へと段階を踏むといいですよ。

老犬のためのトイレトレーニング③

なかなかトイレシートの感覚に慣れてくれない場合は、トイレシートの上に洗える人工芝を敷いてみるのもおすすめです。芝生の感覚にトイレをしてくれるこもあります。

また、人工芝でうまくいかない場合は、トイレシートの上に砂や土、草などをかぶせ、外に近い環境を作ってあげてると、外と勘違いをしてトイレをしてくれることがあります。徐々に砂や土の量を減らしていき、トイレの場所を覚えてもらいましょう。

寝たきりの場合はどのように介護したらいいですか?

トイレシートの上に寝ている犬

(画像:Instagram / @rii.m915

オムツやトイレシートを使う

寝たきりになって自力でトイレまで移動することができなくなったら、オムツをつけてあげるとよいでしょう。犬用のオムツを使うのでもいいですし、人間用のオムツを少しリメイクして使うのでも構いません。人間用のオムツをリメイクするのは手間はかかりますが、犬用オムツよりも安価なのでコストを抑えることができます◎

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おむつの老犬

オムツを嫌がってつけてくれなかったり、オムツをつけていてもずれてしまう場合は、トイレシートの上に寝かせてあげると安心です。大きめのトイレシートを敷いておくと、トイレをしたタイミングですぐ気付いてあげられます。

体が汚れてしまったら…

排泄物が付着して体が汚れてしまったときは、ぬるま湯で洗い流してあげましょう。汚れが気になるようなら部分的にシャンプーをしてあげるのもおすすめです。ウェットティッシュなどで拭き取るよりも汚れが落ちやすいですし、皮膚のダメージも少なくてすみます。体が大きくてお風呂場まで連れていくのが大変なら、洗浄便などにぬるま湯を入れ、体の下にペットシートを敷いて洗ってあげるといいでしょう。

ただし、洗った後は必ずドライヤーで乾かしてあげて。しっかりタオルで水分を取り除いておくと、ドライヤーの時間を短縮することができます。

排泄の介助は獣医師に相談して

自力で排泄ができなくなったら、腹部を圧迫して排泄のサポートをしてあげる必要があります。どのくらい力を入れたらいいのか、どの部分を圧迫したらいいのかはその子の状態によって異なるので、かかりつけの獣医さんの指導のもとやってみましょう。

最後に

シニア犬がトイレに失敗してしまうのはある程度仕方のないことですが、毎回片付けるとなると飼い主さんにとって大きな負担となってしまいますよね。愛犬が粗相をしても叱ったりせず、温かい気持ちでを見守ってあげることも大切ですが、それとあわせて飼い主さん自身の負担を軽くするための工夫も必要です。愛犬がシニア期に入ったら、環境の見直しや犬用オムツの練習、室内トイレのトレーニングを始めるとよいでしょう。