高齢になって足腰の筋力が衰えてくると、足が滑りやすくなります。自力で起き上がるのが大変になったり、食事の体勢を維持するのが難しくなったりしますよね。そんなときは、滑り止めアイテムを上手に活用して、足腰が滑らないようにケアしてあげましょう。シニア犬の介護やリハビリに詳しい獣医師の丸田先生に詳しいお話を伺います。
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老犬の足が滑るようになったらまずは動物病院へ
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足腰の変化に気が付いたら、まずはかかりつけの動物病院を受診してください。高齢になって筋力が衰えているのかもしれませんし、もしかしたら関節疾患や椎間板ヘルニアなどで痛みがあるのかもしれません。シニア犬は反応が鈍くなることがあり、痛みを感じているのかどうか、以前よりもわかりにくくなることもあります。隠れている病気を見逃さないためにも、動物病院でしっかり診てもらうことはとても大切です。
老犬の足に優しい滑り止め対策
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【滑り止め対策①】足裏の毛をこまめに刈る
寝ている時間が増え、室内にいることが多くなると、足裏の毛や爪が伸びやすくなります。気がつくと毛が肉球を覆ってしまうほど、伸びていることも…!これが滑りやすくなる原因となるので、足裏の毛や爪はこまめにお手入れしてあげましょう。とはいえ、足回りのお手入れを嫌がる子は多いと思います。無理矢理触ろうとするとストレスになったり、余計嫌がるようになったりするので、できるだけ愛犬が嫌がらないような方法を探してみてください。少しずつバリカンなどの道具に慣れさせてあげるのもいいでしょう。寝ている間にお手入れをしてあげるのもいい方法です。爪切りで暴れる子の場合は、電動爪やすりなどを使うのもおすすめですよ◎
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【滑り止め対策②】乾燥している肉球のケア
シニア犬になると肉球が乾燥することがあります。乾燥した肉球は滑りやすくなりますし、乾燥がひどくてひび割れを起こすと、足をつくのが痛くなったり出血したりすることもあります。こうなるとますます踏ん張りづらくなるので、愛犬の肉球が乾燥していることに気づいたら早めにケアしてあげましょう。
肉球のお手入れには、愛犬が舐めても安心な肉球クリームがおすすめです。飼い主さんの指に少量とってから、肉球をマッサージするように塗り込んであげてください。足先は敏感な部分なので、嫌がるようなら無理せず少しずつ慣らしてあげましょう。
■国産天然みつろう肉球クリーム
100%天然成分でできた、愛犬が舐めても安心の肉球クリームです。無添加・無香料で、保湿効果のある亜麻仁油なども配合されています。
【滑り止め対策③】環境整備も大切
居住環境の見直しも大切です。フローリングや摩耗したタイルカーペットのように滑りやすい床の上は、筋力が衰えている子にとって非常に歩きにくく、やがて歩きたがらなくなってしまいます。そうなると筋力はますます低下し、あっという間に寝たきりになってしまうこともあるので注意しましょう。愛犬が自力で活動できるよう、滑りにくい床材を敷くなどしてしっかり環境を整えてあげてあげてください。自分の力で歩くことができれば、筋力を維持することができるだけでなく、ストレス解消にも繋がります。
足腰の筋力が衰えてきたときのケアの仕方やおすすめの床材については、こちらの記事に詳しくまとめてありますので、ぜひご覧ください。
愛犬が高齢になるとだんだん足元がおぼつかなくなってきますよね。そんなときは滑り止め効果のある床材を上手に活用して、シニア犬の弱った足腰をサポートしてあげましょう。ここではペットグッズに詳しい株式会社こいぬすてっぷの石田獣医師に、シニア犬にお[…]
【滑り止め対策④】食事場所も一工夫
シニア犬になって足が滑りやすくなると、食事中にどんどん足が開いてきて食事の体制を維持できなくなることがあります。愛犬が落ち着いて食事を楽しむことができるよう、食事環境にも配慮してあげましょう。お皿の高さを食事台などで調節することとあわせて、床にも踏ん張りやすい素材のマットを敷いてあげてください。手軽に取り入れられるものとしては、こちらがおすすめです。食べこぼした際のお掃除も簡単になりますよ◎
■踏ん張り防水シート「コンフィ・マルチシート」
それでも滑ってしまう場合には、クッションで椅子を作ったりタオルなどを足の間に挟んであげたりして、姿勢が維持できるようサポートしてあげるとよいでしょう。
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【滑り止め対策⑤】意外と滑るトイレの上
実は、足腰が弱っているシニア犬にとってはトイレシートの上も滑りやすいです。うまく踏ん張れなくてトイレを失敗してしまったり、トイレの姿勢を維持できなくなって排泄物の上に座り込んでしまったりすることが多くなります。そんな時は滑りにくいトイレ作りをしてあげてください。
例えば、トイレシートを汚れてもいいバスタオルで覆ってあげたり、100円ショップなどで購入できる網目状の滑り止めシートを被せてあげると滑りにくくなります。メッシュカバー付きのトイレトレーを取り入れるのもおすすめですよ。
■ハリオ ワンコトイレマットJワイド
■ハリオ ワンコトイレマットしつけメッシュワイド
シニア犬に優しいフラットなトイレトレーです。専用のパーツを使えば複数枚の連結もできるので、トイレ面積の拡張も可能。別売の専用のメッシュシートを取り付けることができます。
老犬の足に優しい滑り止めアイテム8選
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ここでは、愛犬の足元をしっかり支えてくれるアイテムをご紹介します。環境整備とあわせて取り入れてみてください。足先は犬にとって敏感な部分なので、嫌がるときは無理せず少しずつ慣らしてみましょう。
【滑り止めアイテム①】滑り止め付き靴下「Skitter」
Skitter(スキッター)は獣医師監修のもと開発された、脱げにくい犬用の靴下です。肉球部分だけでなく足の甲の部分にも滑り止めがついているので、立ち上がりの際の踏ん張りをしっかりサポートしてくれます。明るいカラーと可愛らしいデザインで、履かせるのも楽しくなりそう♪ロング丈のSkitter plusもあるので、冷え対策や足元の床ずれが気になる方はそちらを選ぶとよいかもしれません。
※開発元の「docdog」では生産が終了していますが、今はPet’s ADVANCEで購入することが可能です。
【滑り止めアイテム②】PAW WING
PAW WINGは肉球に直接貼るシールタイプの滑り止めです。装着前に爪と肉球周りの毛をカットしてあげてください。使用感は個体差があり、中には剥がれやすい子、反対に粘着力が強すぎる子もいるようですが、相性がよければしっかり足元を支えてくれるでしょう。サイズ展開も豊富で、超小型犬から大型犬まで使えます。実際に使用している飼い主さまたちの感想はこちらにまとめています。
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【滑り止めアイテム③】パウテクト
室内外で使えるシリコン製のブーツ、パウテクト。非常に柔らかく伸縮性に優れているため、履かせやすいのが特徴です。滑らないようしっかり足元を支えてくれるだけでなく、固いコンクリートの上を歩く時も肉球を守ってくれるでしょう。素材はシリコンですが、通気孔から空気が抜けるようになっているので、蒸れにくい構造になっています。
【滑り止めアイテム④】いぬたび
【滑り止めアイテム⑤】トーグリップス
(画像引用元:Vet’s Eye )
トーグリップスは爪先に装着するタイプの滑り止めで、動物病院でしか購入できません。装着にコツがいるので、獣医さんに相談しながら使うと安心です。肉球を触られるのを嫌がる子や、靴を嫌がる子におすすめです。
【滑り止めアイテム⑥】パウソフト
肉球に直接塗るタイプの滑り止めです。塗る際に手も汚れず、肉球にも素早くなじんでべたつきません。原材料にはバージン・ココナッツオイル、グリセリン、マリンコラーゲン、ビタミンE等が使われています。肉球の乾燥へのお手入れもあわせてできるのが嬉しいですね。
【滑り止めアイテム⑦】介助ハーネス
足元がおぼつかなくなってきた子は介助ハーネスがあると安心です。立ち上がりや歩行をサポートしてくれるだけでなく、トイレのサポートにも使えます。全身を支えるタイプと部分サポートをしてくれるものがあるので、愛犬の状態に合わせて最適なものを選びましょう。おすすめの介助ハーネスについてはこちらをご覧ください。
シニア犬になって筋力が低下すると、自分の力で立ち上がったり歩いたりするのが難しくなることがあります。そんなとき、介護ハーネスがあればサポートがグッと楽になります◎そこで今回は介護ハーネスの選び方・作り方について、シニア犬の介護とリハビリに詳[…]
【滑り止めアイテム⑧】車椅子
麻痺がある子や、筋力が落ちて自力での歩行が難しくなった子には、車椅子もおすすめです。車椅子があれば足腰が弱っていても自分の力で歩くことができるので、歩くのが大好きな子にはぜひおすすめしたいアイテムです。また、乗っているだけで立ち姿勢を維持できるので、寝たきりになった子のお食事サポートもしやすくなります。車椅子にも色々な種類があるので、愛犬にあったものを選んであげてください。こちらの記事で詳しく紹介しています。
愛犬が年齢とともに歩けなくなってくると、犬用の車椅子を使うべきかどうか、悩まれる飼い主さんもいると思います。そこで今回、犬の介護やリハビリに詳しい獣医師の丸田先生に、車椅子を使うメリットや車椅子の選び方についてお話を伺いました。 (T[…]
老犬の足が滑るときは足腰のケアも取り入れて
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高齢になって足が滑りやすくなるのは、筋肉の衰えが原因です。自宅でしっかりケアしてあげることで筋力を取り戻し、再び歩けるようになることもあるので、ぜひ以下のケアを取り入れてみてください。
肉球マッサージ
肉球をぷにぷにと押してみたり、足先をゆっくり握ってゆっくり手を離したりしてあげると、血行を促進することができます。嫌がらないようなら、指を広げるように肉球を親指で押し広げてみてください。立ち上がりが苦手な子はこのマッサージで改善されることがあります。
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筋トレ
愛犬の足腰が弱ってきたと感じたら、無理のない範囲で筋力トレーニングを取り入れてみてください。例えば緩やかな坂道を登ってみたり、適度に負荷のかかる砂浜の上を歩いてみたり、お散歩コースを工夫するだけで足腰の筋力を強化することができます。その他、自宅でできる筋力トレーニングの方法はこちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
シニア犬は運動量が低下し、それに伴い筋肉量も徐々に落ちていきます。高齢になって筋肉が落ちるのはある程度仕方のないことですが、できるだけ筋力をつけてあげたいと考える方も多いでしょう。そこで今回は、犬の介護やリハビリに詳しい獣医師の丸田先生に、[…]
最後に
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愛犬の身体の変化を感じたら、ひとりで悩まずにまずは獣医さんに相談してみましょう。病気のことだけでなく、生活環境の整え方や身体のケアのやり方についてもアドバイスをもらえるかもしれません。飼い主さんと一緒に楽しいシニアライフを過ごせるよう、愛犬が自身の足で立てる時間をできるだけ伸ばしてあげたいですね。