老犬は便秘になりやすい!食事の見直し、マッサージなどで予防して

犬はもともと便秘になりにくい動物だと言われていますが、年を取ると便秘をしやすくなります。ここでは老犬の便秘について、原因や対策方法など詳しく解説していきますので、愛犬の便秘にお悩みの方はぜひ参考にしてください。

老犬は便秘になりやすいので注意して

何日からが便秘なの?

犬は高齢になると便秘になることが多くなります。健康な状態であれば、1日の排便回数は1~3回程度ですので、もし2日以上ウンチをしていない状態が続くなら便秘と言えるでしょう。便秘になる原因は様々ですが、飼い主さんが普段から注意してあげることである程度予防することができます。

老犬が便秘になりやすいのはなぜ?

老犬になって運動量が低下すると、腹筋や足腰の筋力が衰えて排泄の際にうまく踏ん張ることができなくなります。また、運動をすることが減って寝ている時間が多くなると、水を飲む量が少なくなりがちです。水分不足から便が固くなり、便秘を引き起こすこともあります。さらに、年齢とともに腸内環境が変化することも、便秘を引き起こす要因の一つです。犬の腸には善玉菌と悪玉菌、それから日和見菌が存在していますが、年とともに善玉菌が減ってしまうと、悪玉菌が活発になって便秘や下痢などの排泄トラブルが起きやすくなります。

 老犬のための便秘対策

飼い主さんが日々の生活に気をつけてあげることで、年を取った愛犬の便秘をある程度は予防することができます。老犬のための便秘対策とは、具体的にどうすればいいのでしょうか。わかりやすく解説していきましょう。

 たっぷり水分補給

犬が1日あたりに飲む水の量は、体重1kgあたり40~60mlが目安です。しかし、老犬になると水を飲む量が少なくなることがあります。水分が不足すると便秘になりやすいので、飼い主さんは愛犬がしっかり水分を補給できるよう工夫してあげてください。

老犬になって体力が低下し、水飲み場まで歩くのが面倒になっているのなら、お水の器をベッドの近くに移したり、複数の水飲み場を作ってあげるのもおすすめです。お水を飲む体勢を取るのが辛そうであれば、器を台の上に載せてあげたり、床に滑らないマットなどを敷いてあげたりするとよいでしょう。

食事を見直して

愛犬の便秘対策には食事の見直しも効果的です。お水を飲む量が減ってしまっているのなら、ドライフードにお湯をかけてふやかしたり、ウェットフードに切り替えたりして、フードから摂取できる水分量を増やしてあげるとよいでしょう。便秘解消に効果のある食物繊維を多く含むキャベツやサツマイモなどをゆがして、フードにトッピングしてあげるのもおすすめです。与える際は消化しやすいように細かく刻んであげてください。

もし、愛犬の消化機能が衰えてしまっているのなら、消化のいいフードを選んであげることも大切です。一概にシニア犬用フードと言っても、シニア期に差し掛かったばかりの犬に向けて作られたフードと、消化吸収機能が衰えているハイシニア期の犬に向けて作られたフードは異なります。愛犬の状態に応じて最適なフードを選んであげましょう。フードの選び方については『シニア犬フードの選び方は?老犬に必要な栄養素を獣医師が解説!』に詳しくまとめているので、あわせて読んでみてください。

適度な運動を取り入れて

老犬になると体力の衰えからお散歩に行くのを嫌がったり、おもちゃで遊ばなくなったりすることもあるでしょう。しかし、適度な運動を取り入れることは便秘対策の上でも大切です。運動をしなくなると筋力が衰え、足腰がどんどん弱って、排泄時に踏ん張りがきかなくなってしまいます。適度な運動で筋力を保ちましょう。また、運動をすると消化管の働きが刺激されて腸の動きが活発になり、スムーズな排便を促すことができます。愛犬の体調を見ながら、無理のない範囲で適度な運動を取り入れられるといいですね。

体力の衰えた愛犬にお散歩を楽しんでもらうポイントについては、『老犬になってもお散歩は必要?老犬とお散歩に行くときの注意点』に記載しているので、ぜひ合わせてご覧ください。

愛犬の排泄を促すためにできること

上記の便秘対策と並行して、飼い主さんが排泄のサポートをしてあげるのもおすすめです。

便秘解消マッサージ

愛犬を仰向けにした状態で、おへそを中心に優しく円を描くように時計回りにマッサージをします。この時、強く押さないようにくれぐれも注意してください。お腹はデリケートなので、優しく撫でるようなイメージで行いましょう。嫌がるようなら無理に押さえつけたりせず、できる範囲で取り入れてみてください。

体を支えてあげる

足腰が弱くなってトイレの姿勢を維持できないのであれば、飼い主さんが体を支えてあげることで排泄をサポートできます。体を両脇から抱え、排泄の体勢を維持してあげましょう。初めは犬も戸惑って嫌がることがあるかもしれません。そんな時は無理をせず、一度時間をあけてからまたサポートしてあげてください。

愛犬が便秘になってしまったら

便秘予防のために日頃から対策をしていても、愛犬が便秘になってしまうことはあります。ここでは愛犬が便秘になってしまったときの対処法について解説しています。

便秘対策をしてもダメなら動物病院へ

便秘になっても愛犬に元気や食欲があるのであれば、まずは水分補給やフードの見直しをして様子を見ていても構いません。もちろん、早めにかかりつけの獣医師に相談して、便秘の解消法についてアドバイスをもらうのもおすすめです。しかし、色々対策をしても便秘が解消されない場合は、浣腸や摘便などのウンチを取り出す処置が必要となるケースもあります。愛犬の便秘が3日以上続くようであれば、動物病院へ連れて行ったほうがよいでしょう。

ビオフェルミンを飲ませてもいい?

人間の整腸剤として有名なビオフェルミンですが、実は犬用のビオフェルミンもあります。人間用と同じく、腸内に不足した善玉菌を補充し、腸内環境を整え、排泄トラブルを解消する効果があります。ただし、用量や配合されている成分に違いがあるので、自己判断で与えることはやめましょう。

「量を調整できるのであれば人間用を飲ませても良い」という獣医師もいますが、飼い主さんが適切な量を判断するのは難しい上、まれにアレルギー反応を起こして体調が悪化する場合もあります。初めて使用する場合は、かかりつけの獣医師の判断を仰ぐのがベストです。

綿棒で肛門を刺激するのは最終手段

最終手段として、綿棒で肛門を刺激するという方法もあります。ただ、この方法は常用するとクセになってしまい、綿棒での刺激がないと排泄できなくなってしまう可能性があるため注意が必要です。初めて行う場合は、かかりつけの獣医師に確認しておくと安心です。

<綿棒で排泄を促す方法>

  1. オリーブオイルやぬるま湯に綿棒を浸して柔らかくします。
  2. 綿棒の先を少しだけ肛門に入れます。
  3. クルクルと小さく回して肛門を刺激します。

こんなときはすぐに動物病院へ!

愛犬が元気で、食欲もあるなら様子を見ていても構いませんが、以下のようなケースではすぐに動物病院へ連れて行く必要があります。動物病院に連れて行く際は、愛犬の便も一緒に持って行くとよいでしょう。ラップなどで包み、ナイロン袋に入れて持参するようにしてください。

痛みや他の症状がある

排便時に痛みがあったり、便秘以外にも嘔吐や食欲低下、体重減少などの症状が見られるときは注意が必要です。なにかしらの病気が原因となっている可能性があるので、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。便秘を引き起こす病気としては、以下のものが考えられます。

  • 会陰ヘルニア
  • 腸閉塞
  • 腫瘍、ポリープ
  • 腸炎
  • 肛門嚢炎
  • 異物誤飲

内服薬を飲んでいるとき

医原性便秘と言って、他の病気の治療などで処方された薬が便秘を引き起こすこともあります。薬を飲み始めてから便秘になったのであれば、処方された薬が体に合っていない可能性があるため、獣医師に相談してください。医原性便秘を引き起こす可能性があるものとして、鎮痛剤、スクラルファート(胃薬)、利尿剤などがあります。

最後に

愛犬が年を取って便秘がちになるのはよくあることです。食事の見直しや無理のない範囲で運動を取り入れ、できるだけ予防してあげられるといいですね。あまりに便秘が続くようであれば、早めにかかりつけの獣医師に相談してみましょう。