トリマーさんに聞く!シニア犬(老犬)に優しいシャンプーのやり方

シニア犬になると体力が衰え、ちょっとしたことで体調を崩してしまうことも多くなります。若い頃は平気だったシャンプーも、今までと同じやり方をしているとシニア犬にとっては大きな負担になることも…。そこで今回は、動物病院やサロンなどでトリミング経験を積まれたトリマーの関さんに、シニア犬に優しいシャンプーのやり方を伺います。

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シニア犬になってもシャンプーは必要でしょうか?

シニア犬になって外出することが少なくなっても、ずっと体を洗わないでいると体臭が強くなりますし、皮脂や汚れも目立つようになりますよね。また、被毛を清潔な状態に保ってあげることは皮膚炎やノミダニ予防にも繋がるので、シニアになっても定期的なシャンプーは必要です。

ただし、シニア犬は足腰が弱くなったり、咳が出やすくなったりするため、できるだけ負担をかけない方法でシャンプーをしてあげる必要があります。

シニア犬はどのくらいの頻度でシャンプーしたらいいですか?

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足腰が元気な場合

皮膚トラブルがなく、足腰が比較的しっかりしている場合には、2~3週間に1回くらいの割合でシャンプーをするとよいでしょう。もし、体の臭いが気になるようであれば、週に1回シャンプー剤を使わずに、お湯で体を流してあげると皮膚にかかる負担を減らすことができます。シャンプー剤を使用しない場合は、通常のシャンプーと比べると被毛が乾きにくいため、丁寧にタオルドライをしてからしっかり乾かすよう心がけましょう。湿ったままにしておくと皮膚炎を発症する原因になります。

足腰が弱い犬や寝たきりの犬の場合

足がふらついていたり、一日中ほぼ寝たきりで過ごしている犬の場合は、3~4週間に一回の間隔でシャンプーしてあげるとよいでしょう。トイレや食事の後に都度、濡れタオルやウェットティッシュで汚れを拭いてあげると清潔な状態を保ちやすくなります。

完全に寝たきりでシャンプーをすることが難しい場合には、市販のシャンプーシートなどを使ってこまめに体を拭いてあげると清潔な状態を保てます。

トイレの失敗頻度が高い場合

シニアになるとトイレの失敗が増え、排泄物で体を汚してしまうことも多くなってきますよね。そんなときは部分的なシャンプーをしてあげてください。頻度が高くてもシャンプー剤を使って大丈夫です。キレイに汚れを落として、しっかり乾かしてあげましょう。

シャンプー剤は何を使うといいでしょう?

低刺激な成分や自然由来の成分を使ったものやシニア犬用を謳っているものなど、いろいろな種類のシャンプー剤が販売されていますよね。ただ、今まで使っているシャンプー剤が体質に合っているのなら、シニアになったからといって切り替える必要はありません。それよりも愛犬の肌質を見極めて、その子に合うシャンプー剤を選ぶようにしましょう。

皮膚病がある場合はかかりつけの獣医さんの指示に従って薬用シャンプーを使用します。

シニア犬をシャンプーするとき、注意点はありますか?

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体調の良い日を選ぶ

シャンプーをするときはできるだけ体調の良い日を選んでください。シニア犬は若い頃に比べてストレスを感じやすく、またストレスによって体調を崩すことも多いです。少し体調が悪そうなときは無理にシャンプーしないで、日を改めるようにしましょう。

お湯の温度はぬるめに設定

シニア犬は体温調節が苦手なので、お湯の温度は湯気が立たないくらいのぬるめな温度に設定するとよいです。犬にとっては人がややぬるいと感じるくらいがちょうどよく、冬場は37~38度、夏場は35度前後が望ましいとされています。

ハァハァと息をしているときは温度が高すぎるので調節してください。ブルブル震えている愛犬を見て、お湯の温度を上げたくなってしまうかもしれませんが、緊張や不安から震えていることも考えられます。愛犬の様子を見ながら調節してあげましょう。

気温や室温にも注意

浴室でシャンプーをするときは、気温と湿度にも注意してください。急激な温度変化はシニア犬にとって大きな負担になります。冬の寒い時期は事前に浴室内を温めておくとよいでしょう。

また、温度が高すぎると呼吸がしづらくなったり、湯気を吸いこんで咳き込んでしまうこともあります。特に気管虚脱などの病気がある場合は湿度が高くなりすぎないように気をつけてください。

滑らないような工夫も大切

ツルツルと滑る浴室の床は、足腰の弱ったシニア犬にとって大きな負担となります。転倒の恐れもあるので、必ず床に滑り止めのマットを敷いてあげましょう。また、若いときは立った状態でシャンプーするのが一般的ですが、無理に立たせる必要はありません。可能であれば座らせてあげ、できるだけ愛犬が楽な姿勢で洗うようにしましょう。

乾かすときも足元に注意

シャンプーの後、体を乾かす時も足元には注意が必要です。シニア犬は足もとがふらつきやすいので、トリミングテーブルの上で乾かすときは一人が愛犬の体を支え、もう一人が乾かすようにすると安全です。それが難しい時はトリミングテーブルの上ではなく、床でドライヤーをかけてあげると、落下事故を防ぐことができます。

時間短縮してあげることも大切ですよね?

シニア犬の場合、シャンプーの時間をとにかく短くしてあげることが大切です。ここでは、しっかりと汚れを落としながらもシャンプーの時間を短縮するためにできることをご紹介します。

シャンプー前に部分カット

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被毛が長いとシャンプーにもブローにも時間がかかってしまうので、目の周りや足もと、お腹、お尻周りの毛は、シャンプー前に短くカットしておきましょう。できれば体にもバリカンを入れてある程度短くしておくと、かなりの時間短縮になります。トリミングをお願いするときはあまりデザインにこだわらず、汚れにくい、洗いやすい、乾かしやすいカットをオーダーするようにしましょう。

毛玉やもつれは事前に取り除く

毛がもつれたままシャンプーすると、洗っている時に指に引っ掛かって皮膚を引っ張ってしまったり、ドライヤーで乾かしきれずに湿って皮膚炎の原因となります。毛玉や毛のもつれがあるときはシャンプーの前に取っておきましょう。無理にコームでとかさすのではなく、バリカンやハサミで切る方が負担が少なくおすすめです。

毎日こまめにブラッシングをしておくと、毛のもつれを防ぐことができます。また、ブラッシングには血行促進や新陳代謝を促す効果もあるので、ぜひ日々の生活の中で取り入れてあげてください。

汚れをしっかり落とすのがポイント

お風呂の時間を短くするためには、実はシャンプーを丁寧にすることが大切です。シャンプーを適当に済ませてしまうと体に汚れや皮脂が残ってしまうため、ブローに時間がかかってしまいます。ドライヤーの熱を嫌がるシニア犬は多いので、シャンプーを丁寧にして乾かす時間を短縮してあげましょう。被毛がキュッキュッとなるくらいまでしっかり洗うと、ドライヤーを当てたときにサッと乾きます。指の腹を使って地肌をしっかり洗うよう意識してみてください。

ちなみに、プロのトリマーたちは二度洗いをするのが一般的です。一度目は下洗いで、二度目に本格的に洗います。おうちシャンプーのときは一度洗いで問題ありませんが、二度洗いの方が早く乾かせるので、できそうな方はぜひ試してみてください。

乾かすときも時間短縮!

ブローの時間を短くするには、先にしっかりタオルドライをしてあげることが大切です。ゴシゴシこするのではなく、タオルを優しく体に押し当てるようにして乾かします。吸水性に優れたタオルを使うのもおすすめ。乾かすときはドライヤーを体から30センチくらい離してください。一箇所に集中して風を当てると熱くなるので、同じ場所に7秒以上風を送らないように注意しましょう。

被毛が短い部分は手で乾かすといいですが、被毛が長い部分はスリッカー(ブラシ)でとかしながらドライヤーを当てると早く乾きます。慣れないうちは一人がスリッカーでとかし、もう一人がドライヤーを持って乾かすとやりやすいと思います。ただし、皮膚トラブルがある子にスリッカーを使うと刺激になる場合があるので、そのときはコームを使ってください。

被毛が脂っぽくて乾きにくいときは、ベビーパウダーをつけると乾きやすいです。シャンプー剤を使わないお風呂の日や被毛が脂っぽい子は、ぜひ試してみてください。

みんなが実践してるシャンプーのコツ

最後に、シニア犬と一緒に暮らしている飼い主さんたちが投稿している愛犬のシャンプーシーンをご紹介します。飼い主さんたちのいろいろな工夫もとても参考になりますよ◎

体のサイズにあったバスタブをチョイス

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愛犬のサイズにぴったりのバスタブを準備してあげると、ためたお湯の中でゆったりできるのでおすすめです。犬用のバスタブはインターネットなどで購入できますが、他のもので代用してあげてもいいでしょう。ミニチュアダックスフンドのかいちゃんは、シリコンのバスケットが専用のバスタブ。シリコン素材なので滑りにくく、幸せなバスタイムを楽しめています♡

バスタブ × 滑り止めマット

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浴室の床に滑り止めを敷いても、愛犬が暴れるとずれてしまう…。そんな経験はありませんか?そんなときはチワワのムックちゃんのように、専用のバスタブと大きなサイズの滑り止めをセットで使うと効果的です。100均の滑り止めを切らずに長いままバスタブの外に垂らして、バスタブの下に挟んでみてください。これなら多少愛犬が動いても、滑り止めがずれないのでおすすめです◎

最後に

シニア犬をお風呂に入れてあげるときは、できるだけ体に負担をかけないようにすることが大切です。注意すべきポイントを抑えつつ、愛犬にも気持ちのいいバスタイムを楽しんでもらえるよう、工夫してあげてくださいね。