シニア犬は体が冷えやすい!愛犬の体を温めてくれる温活アイテム

シニア犬は体温調節が苦手になって、若い頃よりも体が冷えやすくなります。体が冷えると色々な病気にかかりやすくなるので、飼い主さんがしっかりケアしてあげましょう。ここでは、シニア犬の介護に詳しい獣医師の丸田先生に、シニア犬の冷え対策について詳しく伺います。

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なぜシニア犬は体が冷えやすくなるのでしょう?

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シニア犬になって運動量が減ると、筋肉量も減って血行が悪くなります。血の巡りが悪くなると体の隅々まで熱が行き渡らなくなり、足先が冷たくなってしまうことがあります。また、食欲が落ちて体重が減ると、熱を蓄えてくれる脂肪まで減ってしまうので、ますます冷えやすい体になってしまうのです。

年齢とともに体温調節機能が衰えてくるのも、体が冷えやすくなる原因の一つ。犬は寒さを感じると体を震わせて熱を生み出したり、熱を逃さないように毛を立てたりして、体を温めようとします。しかし、高齢になるとこうした体温調節機能が衰えてくるため、体が冷えやすくなるのです。

体が冷えるとどうなるのでしょうか?

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消化管の働きが悪くなる

体が冷えると胃腸の働きが悪くなり、食べ物の消化吸収がうまくできなくなって嘔吐や下痢を引き起こすことがあります。嘔吐や下痢が続くとそれだけで体力が奪われてしまいますし、せっかく摂取した栄養を体に取り込むことができないため、どんどん体が弱ってしまいます。

免疫力が低下する

免疫は、体内に侵入してきた細菌やウイルスと戦ったり、がん細胞を退治したり、体を守る働きをしてくれています。しかし、体が冷えて血行が悪くなると、免疫の働きも低下してしまうため、様々な病気にかかりやすくなってしまうのです。

持病が悪化することも

体が冷えた状態が続くと、持病が悪化してしまう恐れもあります。例えば、関節のこわばりがひどくなったり、心臓にかかる負担が大きくなったり、血行が悪くなると腎臓にも大きな負担がかかるようになります。もともと持病がある子は特に注意が必要です。

他にも様々なリスクが…

寒さのせいでブルブル震えている状態が続くと、それが体力を消耗する原因になります。また、体が冷えて水を飲む量が減ると脱水状態に陥ったり、泌尿器系の病気を発症するリスクも高まります。「冷えは万病のもと」という言葉の通り、体の冷えは様々な体調不良を招く原因となるのです。

シニア犬を冷えから守るためはどうしたらいいですか?

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適切な温度・湿度を保つ

シニア犬は気温の変化にとても敏感です。エアコンやヒーターなどを使って、居住環境の気温を一定に保てるようこまめに調整してあげましょう。暖かい空気は上昇しやすいため、部屋全体が暖まっていても愛犬が生活している床に近い場所は冷えていることがあります。温度計を設置するなら床に近いところに設置し、床付近の室温を見てあげるようにしましょう。

また、空調を使うと湿度が低くなりやすいです。空気が乾いていると咳が出る原因となるので、できるだけ湿度も一定に保ってあげられるよう意識してあげてください。

適度な運動

筋力が衰えると体が冷えやすくなってしまいます。高齢になって体力が衰えても、できるだけ体を動かせるよう工夫してあげてください。無理のない範囲でお散歩や遊びを取り入れて、筋力を維持してあげましょう。後ろ足の鍛え方についてはこちらの記事で詳しく紹介しているので、あわせてご覧ください。

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それから、お散歩に行く時は時間帯に注意して。急激な温度の変化はシニア犬にとって大きな負担になります。夏はできるだけ涼しい時間帯に、冬はできるだけ暖かい時間帯を選んであげましょう。

鍼灸もおすすめ

愛犬の体を冷えから守るためには鍼灸も効果的です。鍼灸には血行を促進し、冷えを改善してくれるだけでなく、免疫力を高めたり、体の不調を改善したり、シニア犬に嬉しい様々な効果があると言われています。大きな副作用もないので、気になる方はぜひ一度試してみるといいでしょう。ペットの鍼灸についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

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ちなみに鍼灸には色々な種類があって、自宅でも簡単に取り入れることができるものもあります。お灸の一種である「温灸」は煙が出ないタイプもあり、お家でのケアとして取り入れやすいでしょう。自宅でケアしてあげたい場合は、その旨を獣医さんに伝えてください。まずやり方を教えてもらってから、お家でやってみましょう。

マッサージで血行促進

シニア犬は血流が滞りやすいので、お家でもきちんとケアをしてあげてください。マッサージやブラッシングには血行促進の効果があるので、日々の習慣として取り入れてあげるとよいでしょう。シニア犬に優しいマッサージのやり方についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

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足湯で温める

特に足先が冷えやすい子は足湯がおすすめです。血行が悪くなりやすい足先を温めることで血の巡りが良くなり、全身を温めることができます。愛犬の体にあったバスタブやたらいなどにお湯を張り、足先だけつけてあげましょう。

お湯の温度は人間が少しぬるいと感じるくらいがちょうどいいです。冬場は37~38度、夏場は35度前後で、愛犬の様子を見ながら調節してあげてください。リラックス効果のあるアロマオイルや、毛細血管を広げてくれる炭酸泉、デトックス効果のあるまこも湯など、愛犬の状態によってお湯を使い分けるのもおすすめです。

体を温める食べ物を取り入れる

体を温めてくれる食べ物といえば、しょうがが有名ですよね。しょうがのように体を温めてくれる食べ物はいくつかあります。いつものフードに、そうした食べ物をトッピングするのもおすすめ。ここでは愛犬の体を温めてくれる食べ物をご紹介します。

  • 肉・魚などのタンパク質:鶏肉、鶏レバー、羊肉、サケ、カツオ、イワシ、エビ、納豆など
  • ごはんなどの炭水化物:もち米、サツマイモ、栗など
  • 野菜:かぼちゃ、にんじん、しょうが、しそ、シナモン

しょうがやしそ、シナモンは与えすぎないよう注意して。また、栄養バランスが崩れないよう意識してあげましょう。「この食材が体にいいらしい」と偏った食材ばかり与えていると、体調不良を招く原因になります。栄養バランスを崩さない手作りごはんについてはこちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。

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尚、持病がある子の場合は栄養管理が必要なことがあるので、取り入れる際は必ず事前にかかりつけの獣医師に相談するようにしてください。

特に温めるといい箇所があれば教えてください

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足先

寒さを感じると、体は血液を体の中心に集めて熱を蓄えようとします。そのため、足先はどうしても冷えやすいです。愛犬の足を握ってみて、肉球が冷たくなっていたら体が冷えているサイン。足先が冷えたままだと関節もこわばりやすくなるので、早めに温めてあげましょう。

ちなみに、お散歩帰りに足を洗ったときは必ずドライヤーでしっかり乾かしてください。濡れたまま放っておくと冷えの原因となります。

お腹

私たち人間も「お腹を冷やしたらダメ。」と言われますよね。犬も同じです。お腹が冷えると消化不良を起こし、下痢や嘔吐の原因になります。また、犬の腸では非常に多くの免疫が作られており、全身の免疫細胞のうち、約70%は腸内細菌から作られると言われています。そのため、お腹が冷えてしまうと免疫力の低下に繋がります。特にフローリングの上などで暮らしているとお腹が冷えやすくなってしまうので注意しましょう。

背中

お腹と同じく、冷やしてはいけないのが背中です。犬の背中には腎臓や泌尿器の神経が集まっています。背中を温めることで腎臓の血行が良くなって腎臓の数値が良くなったり、胃腸が刺激されて食欲がアップしたり、デトックス効果も期待できます。

編集部より、シニア犬におすすめな冷え対策グッズをご紹介します!

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ここでは、愛犬を冷えから守るためのアイテムをいくつかご紹介します。使用する場所や愛犬の状況に応じて、最適なアイテムを選んであげてください。どのアイテムを使うべきか悩んだときは、かかりつけの獣医さんに相談してみるといいでしょう。

冷え対策グッズ① ヒーター

暖房をつけていても意外と床付近は冷気がたまっているもの。ペット用のヒーターを使って冷気をシャットアウトしてあげましょう。低温やけどを防ぐため、ヒーターを選ぶときは必ずペット用のものを選んでください。

それから、コンセントに繋ぐタイプのヒーターは、コードをかじったりしないよう注意が必要です。また、電気を使うタイプはお漏らししたときに漏電しないよう、必ずカバーをしてから使うようにしましょう。

■ドギーマン 遠赤外線2WAYテキオンヒーター ペット用 M サイズ

コンセントに繋いで使うタイプのペット用ヒーター。両面で温度が異なるので、愛犬の様子に合わせて使い分けるとよいでしょう。カバーは取り外して手洗いができるので、汚れてしまっても安心です。

■TWONE ペット用ホットカーペット

同じく、コンセントに繋いで使うタイプのヒーターです。こちらは7段階で温度を調節することができます。防水仕様でカバーも水洗いできるので、トイレの失敗が増えた子でも安心して使えるでしょう。

■Marunda ペット用マット

電気を使わずに、犬の体温だけで温まるペット用マットです。長時間使いたい時や、飼い主さんがお留守番で不在にする時、電気を使うヒーターを使うのが不安なときにおすすめです。ただし、冷気をシャットアウトするアルミシートがシャカシャカ音がするため、音に敏感な子は使ってくれない可能性があります。

■AK KYC ホットマット ペット用

こちらも電気を使わず、犬の体温だけであたたかくなるホットマットです。シャカシャカという音はしますが、汚れたら洗濯機で丸洗いできるのが嬉しいポイント。表面はふわふわと柔らかく、裏面には滑り止めがついていて、床からの冷気をシャットアウトする作りになっています。

冷え防止アイテム② 湯たんぽ・カイロ

長時間のお留守番などで電気を使うのが心配なときや、愛犬と一緒にお出かけする時の寒さ対策には、電気を使わない湯たんぽやカイロがおすすめです。ただし、寝たきりで自由に体を動かせない子は低温やけどに注意しましょう。使用する際はきちんとブランケットやカバーで覆いをして、表面の温度を確かめて。手でじっと触ったときに、ほんのり温かさが伝わってくるくらいが適温です。

■ドギーマン 遠赤外線レンジでチンしてぽっかぽか

電子レンジでチンして使うタイプのペット用湯たんぽ。何度でも繰り返し使用できます。コードを使わないので噛み癖がある子にもおすすめ。冷気を遮るアルミ層付きの湯たんぽカバーがセットでついています。

■あずきのチカラ

あずきのチカラは人間用の温熱ピローですが、普通のカイロと違って高温にならないのでシニア犬におすすめなアイテムと言えます。あずきの蒸気が愛犬の体を優しく温めてくれるでしょう。電子レンジでチンして、繰り返し使えるのも嬉しいですよね。

冷え防止アイテム③ 洋服(パジャマ)・腹巻き

シニア犬の寒さ対策に欠かせないのが、あたたかい洋服と腹巻きです。洋服はお腹部分が開いているデザインが多いので、お腹までしっかりカバーできるものを選ぶか、腹巻きと合わせて着せてあげるといいでしょう。

腹巻きはお腹も背中もしっかり温めてくれます。洋服が苦手な子も、腹巻きなら嫌がらずにつけてくれることがあるので、ぜひ一度試してみてください。

■ZUNEA ロンパース

やわらかいコットン素材のロンパース。後ろ足までつながったデザインなので、体をしっかり温めてくれるだけでなく、オムツのズレも防いでくれます。おなか周りが開いているので、上から腹巻きをつけてあげるといいですよ◎

■ぺティオ あったか着るブランケット

頭と足を通さないので、簡単に着せることができます。サイズはSS、S、M、L の4サイズがあり、背中側のリボンで胴回りを調整することができます。お腹もしっかりあたためてくれる、シニア犬に嬉しいデザインです。

■犬の腹巻きサーモベルト

あたたかい素材を採用した犬用腹巻き。マジックテープで留められるので着脱が簡単で、多少のサイズ調節も可能です。マナーベルトとしても使えます。

■人間のベビー用品もおすすめ

 

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人間の赤ちゃん用の腹巻きを使っている飼い主さんもいらっしゃいました♡ベビー用品はサイズも種類も豊富です。もし愛犬にフィットする犬用の腹巻が見つけられない場合は、ぜひベビー用品もチェックしてみてください。

冷え防止アイテム④ 靴下

足先が冷たくなってしまう子の場合は、犬用の靴下を履かせてあげるといいですよ◎足腰が弱って踏ん張りが効かなくなっている場合は、滑り止めがついている靴下を選んであげましょう。

■犬用靴下 Skitter PLUS

犬の靴・靴下専門店「docdog」が作ったシニア犬のための犬用靴下。金額は高めですが、獣医師監修のもと開発された靴下で、足先全面に滑り止め加工が施されています。爪が引っかかりにくく、ずれにくい設計になっていて、付属のストラップを使えばしっかり固定することもできます。サイズも豊富で7サイズから選べます◎

■GUGULUZA ペット ソックス

SMLの3サイズから選べるペット用靴下。裏面に肉球型の滑り止めがついています。独自の編み方によりクッション性が高く、シニア犬の足をふんわり支えてくれるでしょう。

■靴下以外にも使えるアイテムが♡

 

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犬用の靴下は短めのものが多いので、100均で買える椅子用のカバーをハイソックスとして代用されている飼い主さんもいらっしゃいました♡

最後に

「冷えは万病のもと」と言いますが、体温調節が苦手になるシニア犬は特に注意が必要です。色々なアイテムを上手に活用して、愛犬を冷えから守ってあげましょう。どんなアイテムを使えばいいか悩んだときは、かかりつけの獣医さんにも相談してみてくださいね。