犬のオムツかぶれを予防する!必要な対策を獣医さんに聞きました

愛犬が高齢になってオムツを着用するようになったら、気を付けたいのがオムツかぶれです。シニア犬は皮膚が弱くなり、特にかぶれやすくなるので注意が必要です。ここではオムツかぶれを予防するためにできるケアや、かぶれてしまった時の対策について、シニア犬の介護に詳しい獣医師の丸田先生にお話を伺います。

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犬のオムツかぶれの症状

オムツかぶれを起こすと皮膚が赤くなったり、湿疹やただれなどが現れます。痒みを伴うことも多く、犬自身がかぶれた箇所を噛んだり引っ掻いたりして、症状が悪化してしまうことも少なくありません。ただし、オムツかぶれはオムツの選び方やケアの仕方である程度防ぐことができるので、しっかり対策をしてあげてください。

オムツかぶれが起きる原因

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オムツかぶれの原因① 通気性が良くない

オムツは尿の漏れを防ぐ構造になっているため、排泄後のオムツの中はどうしても蒸れやすくなります。高温多湿な環境でふやけた皮膚は傷つきやすく、おしっこに含まれるアンモニア、ウンチに含まれる腸内細菌などが刺激になってオムツかぶれを引き起こします。

オムツかぶれの原因② サイズがあっていない

オムツのサイズがあっていないこともオムツかぶれの原因となります。オムツのサイズが小さくて、締め付けすぎていませんか?反対にサイズが大きすぎて、動くときにこすれてしまうのもオムツかぶれを引き起こしやすくなります。オムツの吸水量もチェックしておきたいポイント。おしっこの量に対して吸水量が少ないと、おしっこが漏れてシニア犬の敏感な皮膚を刺激してしまいます。

オムツかぶれの原因③ 肌が乾燥している

シニア犬は肌が乾燥しやすい子も多いです。乾燥した肌は摩擦や刺激に弱く、オムツかぶれを引き起こしやすくなるので、愛犬の皮膚がカサカサしていたり薄皮がめくれたりして肌が乾燥していると感じた場合には、早めにかかりつけの獣医さんに相談しましょう。

オムツかぶれの予防対策① 愛犬にあったオムツを選ぶ

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シニア犬は後ろ足やお尻周りの筋肉が衰えるため、表記通りに購入したのにサイズが合わない、なんてこともよくあります。愛犬にぴったりサイズのオムツを選ぶことがオムツかぶれの予防につながるので、しっかり選んであげましょう。

ジャストサイズの目安

つけたオムツが愛犬の体に合っているのかどうか悩んだときは、指を入れて確かめてみましょう。オムツをした時、皮膚とオムツが当たる部分(足まわり、尻尾まわり、お腹まわり)に人間の指が1~2本入るのが目安となります。不安なときはかかりつけの動物病院に相談してみるのもいいと思います。
オムツの選び方については、ぜひこちらの記事もあわせてご覧ください。

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お試しパックでサイズを確認

シニア犬はお尻周りの筋肉が落ちやすくなるため、体重や腰回りのサイズをきちんと計っても、ぴったりサイズのオムツを選ぶのは難しいです。初めてオムツを購入するときは、いきなり大容量タイプを選ぶのではなく、インターネットやホームセンターで売っているお試しパックを活用して、愛犬に合うサイズを見つけましょう。

 

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また、従来のパンツ型オムツの他にも、男の子用のマナーベルトタイプのオムツもあります。その子の状態によって最適なオムツは異なるので、色々なオムツを試してみるとよいでしょう。購入したオムツのサイズが合っていないのに無理に使い続けるとオムツかぶれの原因となるのでやめてください。

モレないことも大切

オムツのサイズがぴったりでも、尿の量が多いと尿もれする場合があります。尿もれもオムツかぶれの原因となるので、しっかり尿もれ対策もしてあげましょう。サイズがぴったりのオムツを使っているのに尿もれする場合には、オムツを一つ大きなサイズに上げてみるか、吸水パッドを併用してみてください。吸水パッドは生理用ナプキンのようなもので、オムツにセットして使用します。

■ペティオ (Petio) ずっとね おむつパッドK

また、オムツがずれる場合にはオムツカバーを使ってみるのもおすすめ。ずれにくいサスペンダー付きのものや見た目が可愛いデザインのものなど色々な種類があるので、愛犬にぴったりなものを探してあげましょう。

オムツかぶれの予防対策② 適切にオムツを使う

オムツを履いている老犬

(画像:Instagram/ @momochan_go

オムツはこまめに取り替える

オムツの中には「長時間使用可能」と謳っているものもありますが、基本的には排泄をしたらその都度オムツを取り替えてあげます。オムツに手を当てたときに重さを感じたら排泄をしているサイン。こまめにチェックしてあげましょう。汚れたオムツをつけっぱなしにしているとオムツ内が蒸れて、ただでさえ敏感なシニア犬の皮膚をさらに弱めてしまいます。また、おしっこやウンチが付着したままにしておくこともよくありません。オムツを取り替えるときはお尻まわりを清潔な状態にしてから、新しいオムツを履かせてあげてください。オムツを履かせる前にきちんと乾かしておくことも大切です。

オムツの使用時間を短縮する

オムツをつける時間をできるだけ短くしてあげるのも、オムツかぶれの予防になります。お留守番の間や就寝時だけつけてあげたり、飼い主さんがそばにいられるときは定期的に外してあげたりして、可能な範囲でオムツ休憩の時間を作ってあげましょう。

オムツかぶれの予防対策③ うんち対策

トイレ中の老犬

(画像:Instagram/ @kayololo

ウンチのあとはきれいに洗う

ウンチが付着してしまったとき、キレイにしてあげようと、つい力を入れて拭き取っていませんか?いくらやわらかいお尻拭きを使っていても、拭き取るときの摩擦はシニア犬の皮膚にダメージを与えてしまいます。ウンチが付着したときは拭き取るのではなく、ぬるま湯で洗い流すのがオススメ。皮膚のダメージを減らすこともできますし、汚れもキレイに落とすことができます。

お風呂場までの移動が難しい場合は簡易ウォシュレットやベビー用品のおしりシャワー、ドレッシングを入れる容器などにぬるま湯を入れ、ペットシーツを広げてその上で洗ってあげてもよいでしょう。シニア犬に負担をかけないお手入れの方法についてはこちらの記事で詳しくご紹介しているので、ぜひあわせてご覧ください。

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お風呂に入る老犬

洗った後はしっかり乾かす

洗い終わったらタオルを押し当てるようにしてしっかり水分を取り除きます。このときこすらないように注意してください。水分を拭き取ったらドライヤーをかけてきちんと毛を乾かします。自然乾燥は雑菌の繁殖を促すため、必ずドライヤーで乾かすようにしましょう。ドライヤーを使うときは高温にならないよう気をつけて。低めの温度で皮膚から20センチほど離して当てるといいです。しっかりタオルドライをすることでドライヤーの時間を短縮することができます。シニア犬におすすめのドライヤーや、優しく手早く乾かす工夫についてはこちらの記事をご覧ください。

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もこもこを着た老犬

ウンチはオムツの外へ

オムツの中にウンチをしてもらうか、ウンチはオムツの外へ出るようにしてもらうかは、難しい問題だと思いますが、オムツかぶれのことだけを考えるなら、ウンチはオムツの外に出させてあげるのが理想です。その方が皮膚にかかる負担は少なくなります。
とはいえ、シニア犬は下痢をすることも多くなりますよね。片付ける飼い主さんの負担は大きくなりますし、足腰が弱っている子は排泄後に尻もちをついたり、自分の足で踏んでしまったりして大惨事になることもあるでしょう。そんな時は飼い主さんの負担を軽減できるよう、以下のアイテムも取り入れてみてください。

■うんぽパンツ

 

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愛犬のお尻を汚すことなくウンチをキャッチしてくれる画期的なオムツです。かなりの高確率でキャッチしてくれるので、飼い主さんの負担を大幅に軽減してくれるでしょう。

▷ご購入はこちら

ただ、2022年3月時点では欠品している状態が続いています。入手できない時のために、手作りされている方の投稿もご紹介させていただきます。

 

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■ビニールプール

ビニールプールを愛犬の安心スペースとして活用するのもおすすめです。お留守番などで飼い主さんが見守ってあげられない間、ケージの代わりにビニールプール内で過ごしてもらうことができれば、万一トイレを失敗してしまっても片付けがしやすいでしょう。

 

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■dfang ペット専用防水クッションマット

防水のクッションマットであれば、汚れてしまってもお手入れが簡単です。こちらは滑り止めの効果もあるので、シニア犬の足腰にも優しいですね。

オムツかぶれの予防対策④ 汚れにくい工夫

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お腹周りの毛を短くカットする

おしっこが付着しやすいお腹周りや、ウンチが付着しやすいお尻周りの毛をあらかじめ短くカットしておくと、汚れがつきにくくなりますし、蒸れを防ぐこともできます。ただし、あまり短くしすぎてしまうと皮膚が外部の刺激を受けやすくなるので注意しましょう。また、寝たきりの犬の場合は毛が短くなると床ずれのリスクが大きくなります。不安なときはどのくらいカットすればいいのか、かかりつけの獣医師に相談するのもオススメです◎

フードの見直し

シニア犬は消化器官の機能が衰えによって、これまで問題なく食べられていたフードでもお腹を壊しやすくなります。下痢をすると通常のウンチよりもお尻周りを汚しやすく、トイレの回数も増えることから、オムツかぶれの原因となります。愛犬の下痢が続くときは必要に応じてフードを見直してみるとよいでしょう。シニア犬の下痢についてはこちらの記事も参考にしてみてください。

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みんなのオムツ代節約術!

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残念ながら犬用オムツの一枚あたりの単価はあまり安くありません。オムツかぶれを防ぐためにはこまめにオムツを取り替えてあげる必要がありますが、できるだけ出費を抑えたいと考える方も多いでしょう。そこでここでは、先輩飼い主さん達が実践しているオムツ代節約術をご紹介します!

吸水パッドを併用する

オムツの中にセットして使う吸水パッドはしっかり尿を吸収してくれるため、排泄後もオムツが汚れないこともあります。吸水パッドはオムツと比べると単価が安いので、吸水パッドだけ取り替えれば出費を抑えることができるでしょう。ただし、オムツも汚れてしまった場合には、必ずオムツも新しいものに取り替えてあげてください。

こちらの記事は実際に吸水パッドを使用している飼い主さんに、トイレやオムツに関して色々お伺いした内容を載せています。ぜひ合わせてご覧ください。

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犬用の吸水パッドではなく、人間のベビー用品をリメイクして活用されている飼い主さんもいます。ベビー用品の方が単価が安いので、より節約することができますね◎

 

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人間用のオムツをリメイクして使う

単価の安い人間用のオムツを代用する方法もあります。ただ、人間用のオムツは犬用に比べて足回りがきつい傾向にあるので、使用する前に締め付けが起きていないか必ず確認するようにしましょう。人間用のオムツをリメイクする方法についてはこちらの記事でご紹介しています。

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愛犬がオムツかぶれを起こしたら

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オムツかぶれを起こしたときの対処法

愛犬がオムツかぶれを起こしてしまったときは、オムツのサイズが合っているかどうか確認しましょう。できるだけこまめにオムツを取り替え、排泄物で汚れたときはすぐにキレイにしてあげます。患部を清潔に保ってもよくならない、愛犬が痒がってかきむしってしまうときには、早めにかかりつけの動物病院に相談してみてください。炎症を抑える軟膏を処方してもらえることがあります。

寝たきりの犬は床ずれに注意

愛犬が寝たきりになるとオムツを着けることが多くなると思います。ただ、寝たきりの犬の場合、床ずれを起こしやすいので注意が必要です。皮膚が赤くなっていたり、少しただれているのを見て「オムツかぶれかな?」と思っていたら実は床ずれだった、なんてことになったら大変。
オムツかぶれは空気がムレやすい、内股や陰部周りなど比較的へこんでいる場所に起きやすいです。一方、床ずれは皮膚が床などに圧迫されて血流が悪くなってできるので、骨が出っ張っているところ、床と接触しているところにできやすいのが特徴です。床ずれはできてから悪化するまでの速度が非常に早いので、「もしかして床ずれかも?」と思った時はすぐにかかりつけの獣医さんに診てもらいましょう。
床ずれについてはこちらの記事で詳しく解説しています。ぜひあわせてご覧ください。

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最後に

シニア犬は皮膚が敏感になっていて、オムツかぶれを起こしやすくなります。愛犬の体に合ったサイズのオムツを選び、適切なケアをしてオムツかぶれを防ぎましょう。ケアの仕方で悩んだとき、オムツかぶれがひどくなったときは、気軽にかかりつけの獣医師を頼ってください。