愛犬が高齢になるとだんだん足元がおぼつかなくなってきますよね。そんなときは滑り止め効果のある床材を上手に活用して、シニア犬の弱った足腰をサポートしてあげましょう。ここではペットグッズに詳しい株式会社こいぬすてっぷの石田獣医師に、シニア犬におすすめの床材やアイテムについて伺います。
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老犬はフローリング対策を!滑りやすい床はNG
シニア犬になると少しずつ体力が衰え、足腰の筋力も衰えていきます。フローリングの上を歩こうとして滑ってしまったり、うまく立ち上がることができなくなったり、転倒して怪我をしてしまうこともあります。その結果、歩くのを嫌がるようになって、ますます筋力が衰えていくという悪循環に陥ってしまいます。シニア犬は自力で立ち上がれなくなってから短期間のうちに寝たきりになってしまうこともあるので、そうならないためにも早めに対策をしてあげましょう。
老犬に優しい床材を選ぶ3つのポイント
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滑りにくい素材を選ぶ
ジョイントマットやタイルカーペットは手軽に取り入れられるため、愛犬が若い頃から使っている方も多いでしょう。ただ、中にはグリップ力があまり強くないものもありますし、若い頃からずっと使っていると、素材が劣化している可能性もあります。年齢とともに踏ん張る力がなくなってくると、そうした床材は滑りやすく、うまく立ち上がれなくなってしまうことがあります。
愛犬が高齢になったら、弱った足腰をしっかり支えてくれる、滑りにくい床材を選びましょう。また、床材を選ぶときは表面だけでなく、裏面もチェックしてください。犬が移動したときにマットが床の上で滑ってしまうと大変危険です。床に設置した際、きちんと固定されているかどうかも確認しておきましょう。
尚、寝たきりの子を滑らない床材の上に寝かせると、皮膚が擦れて床ずれの原因となります。寝たきりの子には必ず床ずれ防止マットを使ってあげてください。
程よいクッション性があるものを選ぶ
クッション性に優れたマットは足腰にかかる負担を和らげてくれます。しかし、あまりに地面がフワフワしていると、足腰が弱ったシニア犬はしっかり踏み締めることができず、余計に歩きにくくなってしまうことがあるので注意しましょう。
ふらつきがあるような場合にはある程度固さがある方が歩きやすいこともあります。どのようなマットを選べばいいのか悩んだときは、かかりつけの獣医師に相談してみましょう。
怪我や誤食のリスクがないものを選ぶ
拾い食いをしたり噛み癖がある子の場合、床材の端や剥がれた繊維などを誤って食べてしまう可能性があります。新しい床材に帰るときは、まず部分的に試してみて、問題ないか確認しておきましょう。また、素材によっては、爪が引っ掻かってしまうこともあります。爪が引っ掛らない形状かどうかもしっかりチェックしてください。
老犬にオススメな滑り止め床材① コルクマット
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コルクマットの特徴
コルクマットはクッション性に優れ、滑りにくく、さらに夏涼しくて冬は暖かいので、体温調節が苦手なシニア犬に優しい床材と言えるでしょう。一般的なコルクマットはジョイントタイプのものが多いので、レイアウトを自由に決められるのも嬉しいポイントです。
ちなみに、コルクマットには大きく分けてワックス仕上げのものとハードコーティング仕上げのものがあります。ハードコーティング仕上げのものはワックス仕上げのものと比べて滑りやすいことがあるので、ワックス仕上げのコルクマットを選ぶといいですよ。
コルクマットの注意点
コルクには水を弾く性質がありますが、とはいえ完全防水ではありません。撥水を謳う商品も多くありますが、すぐ拭き取らないと染み込んでしまうこともあります。粗相をして染み込んでしまったら都度洗う必要がありますし、ジョイントの継ぎ目から漏れてしまうこともあるので、愛犬のトイレの失敗が多くなると掃除が少し大変かもしれません。また、コルクは爪で削れやすいので、掘り癖のがある子には不向きです。
シニア犬におすすめなコルクマット3選
コルクマットの価格は幅広く、使われているコルク材とクッション材の品質によって大きく異なります。安価なコルクマットの中には、コルクのカスが出やすかったり、クッション部分がすぐにヘタってしまうものもあります。消耗品として割り切って導入コストを抑え、こまめに買い替えるのでもいいですし、多少値が張っても長く使えるものを選んでもいいでしょう。どちらにせよ、愛犬との相性もあるので、まずは部分的に試してみるのがおすすめです。ここでは人間の子どもにも使える安全性の高いコルクマットを3つご紹介します。
■タンスのゲン「大判45cm天然コルクジョイントマット」
45cm×45cmの大判サイズ。部屋に敷くのが楽なだけでなく、接続部分が大きくはがれにくいので、愛犬がつまずくリスクを緩和できます。また、サイドパーツがセットでついてくるので、壁際までぴったり敷き詰められるのもポイント。ゴミがたまりづらいですし、つなぎ目を誤食することも避けられます。
■ハンガーのながしお「ニューコルクマット粗目」
接着剤を使わずにコルク部分とクッション部分を圧着しているコルクマット。身体に優しく、接着剤の独特な臭いもあまり気になりません。30cm×30cmのサイズなので、部屋の形に合わせて使うことができます。サイドパーツは別売なので、忘れずに購入するようにしましょう。
■永柳工業株式会社「オールコルクマット」
(画像引用元:永柳工業株式会社)
一般的なコルクマットはクッション材をベースにして表面だけコルク材が使われていますが、このオールコルクマットは100%コルクでできています。そのため、コルクの屑やマットの反り、へたりをそこまで気になることなく、一般的なコルクマットよりも長期間使用することができます。裏表の両方使えるのもポイントです。
※公式サイトにて購入できます。
老犬にオススメな滑り止め床材② クッションフロア
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クッションフロアの特徴
クッションフロアは、クッション性のあるシート状の床材です。衝撃を吸収してくれるだけでなく、ビニール製なので耐水性にも優れており、滑りづらく、臭いがつきにくいといった特徴があります。愛犬が粗相をしたり、何かをこぼしたりした時も掃除がしやすいでしょう。
また、表面にプリント加工が施されているものが多く、デザインも豊富です。リアルな木目調、レンガ風、タイル柄、ストーン柄など、お部屋の雰囲気に合ったものを選べるのも嬉しいですね。
クッションフロアの注意点
クッションフロアの中には滑りやすいものもあるので注意が必要です。また、薄い素材のものは爪で切れてしまうことがあります。必ずサンプルを取り寄せてから決めるようにしましょう。
また、吸湿性がないため、湿度の高い季節は表面がペタペタと湿って滑りやすくなります。湿ったときはこまめに拭いてください。設置が少し面倒なので、もし自分で設置するのが難しい場合はリフォーム業者にお願いするといいですよ。
シニア犬におすすめなクッションフロア3選
ここでは安心して使えるペット対応のクッションフロアを3つご紹介します。お部屋のサイズに応じて必要な長さを購入することができるので、まずはお部屋のサイズを測ってみましょう。尚、専用のノリで接着する方法もありますが、剥がせる両面テープや養生テープなどを使うと比較的簡単に設置することができます◎
■東リ「ニュークリネスシート」
厚さ2.5mmとしっかり厚みがある、ペット対応のクッションフロア。長さは1m以上からオーダーできます。ペットの爪に強く、しかも滑りにくいので、運動量が多い子にも足腰が弱ってきた子にもおすすめ。また、防水性に優れていて消臭機能もついているので、愛犬の粗相が増えても安心して使えるでしょう。
■サンゲツ「HFLOOR」
厚さ2.3mmのクッションフロア。こちらもペットに対応した商品です。優れた防水性・クッション性と滑りにくさで、シニア犬との暮らしをサポートしてくれます。ハサミやカッターで簡単にカットすることができるので、お部屋の形に合わせてカスタマイズできますよ◎
■シンコール「Ponleum」
厚さ2.0mmと、他の二つと比較するとやや薄めのクッションフロアですが、きちんとペット対応しているので、滑りにくさ、防臭効果、クッション性、防水性に問題はありません。リーズナブルなのも嬉しいポイントです。尚、ここで紹介した3つの商品は全てサンプルの取り寄せが可能なので、まずはサンプルを確認してから決めるとよいでしょう。
老犬にオススメな滑り止め③ 老犬のためのペットマット
(画像:Instagram / @rii.m915 )
ペットマットの特徴
ペットマットはその名の通り、ペットのために作られたマットです。ただし、ペットのために作られたマットだからといって、必ずしもシニア犬に優しい商品とは限りません。中にはグリップ力が弱いもの、厚みがなくて滑りやすいものもあります。足腰が弱くなったシニア犬のために選ぶなら、どのペットマットが最適なのか、しっかり見極めなくてはなりません。
ペットマットの注意点
ペットマットの中には床暖房に対応していないものもあります。床暖房に対応していないマットを敷いた状態で床暖房をつけてしまうと、フローリングを傷つけたり、マットが熱くなりすぎて、愛犬がやけどしてしまう恐れがあるので注意しましょう。床暖房をお使いの場合は、必ず床暖房対応のマットを購入してください。
老犬におすすめなペットマット3選
高齢になるとトイレの失敗も少しずつ増えていきますよね。防水性のあるペットマットを選んでおけば、愛犬が粗相をしてしまったときに後片付けが楽なので、飼い主さんの負担を減らせることができるでしょう。ここでは高いグリップ力を持つ、防水仕様のペットマットを3つご紹介します。
■ペットマットDogzari Flat
ふんわりした作りで衝撃を吸収してくれるシニア犬に優しいペットマット。滑りにくい上に表面にも側面にも防水加工が施されているので、愛犬が粗相をしてしまってもサッと拭き取ることができます。インテリアと合わせやすいデザインも嬉しいですね。
ただし、置く場所に応じてカットしたりできないので、どこに置くのか購入前にしっかり検討しておきましょう。
■Caraz ペットマット
エリシャのペットマットは、クッション性・衝撃吸収性に優れたマットの表裏両面を、滑らない特殊な保護フィルムで覆っています。両面どちらも使えるリバーシブルな仕様になっているので、気分に合わせて二つのデザインが楽しめます。また、両面と側面に防水加工が施されており、床暖房に対応しているのも嬉しいポイント。
尚、こちらのマットもカットして使用することはできないので、置く場所には注意しましょう。
■PEPPYの防滑防水ダイナグリップ
シニア犬の介護のために作られた滑らない防水ペットマット。スリッパでグッと踏んでもずれないので、とにかく滑らないマットを探している方におすすめです。厚さ0.4mmのシートタイプと厚さ1cmのマットタイプの二種類があるので、用途によって使い分けるとよいでしょう。
シートタイプはハサミで簡単にカットでき、お家のラグやマットの上に敷いて使用することができます。マットタイプはクッション性があり、転倒時のケガを防いでくれます。
【番外編①】お部屋の部分使いにヨガマット
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ヨガマットの特徴
実は人間用のヨガマットも、シニア犬のいるお家で重宝されているアイテムです。グリップ力とクッション性に優れているので、踏ん張りの効かないシニア犬の足をしっかり支えてくれます。敷き詰めなくても、一枚だけでフローリングの上に直置きして使えるので、トイレ前やごはんを食べるところなどの部分使いにおすすめです。ハサミなどで切って、階段に置いてあげるのもいいでしょう。ただし、階段に設置する場合は、滑り止めのテープなどで必ず固定してあげてくださいね。
ヨガマットの注意点
ヨガマットの中にはズレやすいものもあり、並べて使ったときに隙間ができると、そこに爪や足が引っかかって怪我や転倒の原因になります。また、一般的なヨガマットを洗うときは手洗い、もしくは拭き掃除が基本で、しっかり乾かさないとカビが生えてしまうので、お手入れが少し面倒です。複数枚用意して、常に清潔なマットと交換できるようにしておきましょう。愛犬が頻繁に粗相をするのなら、防水性のヨガマットを選ぶと安心です。
老犬におすすめなヨガマット3選
ヨガマットにも様々な種類があるので、どれを選べばいいか悩んでしまいますよね。足腰が弱くなったシニア犬のために使うなら、適度な厚さがあって、TPE、NBR、EVAなどの滑りにくい素材で作られたマットを選ぶとよいでしょう。ここでは、シニア犬におすすめなヨガマットを3つご紹介します。
■ダイソー ヨガマット
安価な割に優秀だとネット上で注目を集めているダイソーのヨガマット。2mmのものが400円、6mmのものが600円と、とにかく安価なので大量購入しやすいと思います。ただ、素材に使われているPVC(ポリ塩化ビニル)は、TPEやNBRなどの素材に比べるとグリップ力は劣るため、まずはお試しに一枚買ってみてください。なお、素材のポリ塩化ビニルには撥水性はありますが、水洗い不可で防水ではありません。
■Gruperヨガマット
クッション性、グリップ力に優れた素材、TPEを使って作られた6mmのヨガマット。踏ん張りの効かなくなったシニア犬の歩行をしっかりサポートしてくれます。表面に防水加工が施されているので、愛犬が粗相をしてしまってもサッと拭き取るだけでOK。粗相が増えてきたシニア犬にもオススメです。
■AT THE MOMENT ヨガマット
こちらも同じく、TPEを使って作られたヨガマットです。厚さが8mmある分、よりクッション性・グリップ力に優れていますが、フラつきがある場合はふかふかした感触が歩きにくくなる可能性があるので注意しましょう。防水加工がきちんと施されているので、トイレの失敗が増えても安心です。
【番外編②】庭やベランダに人工芝を取り入れるのもおすすめ!
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人工芝の特徴
芝生には程良いクッション性があり、足腰が弱くなったシニア犬でも歩きやすいです。そのため、愛犬のためにメンテナンスが楽な人工芝を取り入れている飼い主さんもいらっしゃいます。人工芝はどこにでも設置できるので、庭だけでなくマンションのベランダや室内に設置することもできます。
熱に強いもの、防臭加工が施されているもの、触り心地が天然芝に近いものなど、種類も非常に豊富なので、設置する場所やニーズにあわせて選ぶとよいでしょう。お外でしかトイレできない子のために、人工芝を使ったトイレなども販売されています。
人工芝の注意点
人工芝は長持ちしますが、初期費用が高くつくケースが多く、安い人工芝を使うとチクチクしたり、敷き方が悪いと芝が滑ってしまうこともあり、DIYをするには少しハードルが高いかもしれません。きちんとした業者さんに依頼するとかなりのコストになるので、気になる方は複数の業者さんに連絡して、見積もりを取り寄せてみるとよいでしょう。
また、芝生の上でトイレをすると、飼い主さんが排泄物に気付けず放置してしまう場合もあるので、こまめに掃除することは心がけておきましょう。尚、住居によっては、庭やベランダに人工芝を設置することが禁止されている場合もあります。設置前には必ず規約を確認してくださいね。
最後に
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床材には色々な種類があるので、ぜひ愛犬に最適なものを選んであげてください。もしどんな床材を選べばいいか悩んだときは、かかりつけの獣医師に相談してみるのもいいと思います。また、滑らないようにするためには、肉球まわりの毛をカットしたり、爪切りをしたり、こまめに足回りをケアしてあげることも大切です。こちらの記事もぜひ参考にしてくださいね!
高齢になって足腰の筋力が衰えてくると、足が滑りやすくなります。自力で起き上がるのが大変になったり、食事の体勢を維持するのが難しくなったりしますよね。そんなときは、滑り止めアイテムを上手に活用して、足腰が滑らないようにケアしてあげましょう。シ[…]