愛犬の視力が低下すると、家具にぶつかるようになったり、音に敏感になったりすることがあります。そんな愛犬の様子を見て、お散歩を続けるべきかどうか悩まれる飼い主さんも多いでしょう。そこで今回は、愛犬の視力が低下したとき、お散歩を楽しむためにはどんな工夫をしたらいいのか、先輩飼い主さんたちのアイデアを集めました!
(TOP画像:Instagram/ @leo_ng_kn )
視力が落ちた愛犬とお散歩を楽しむために
(画像:Instagram/ @hamamahanabi )
視力が落ちても大きな変化がないことも
犬は視覚よりも嗅覚・聴覚に優れた生き物です。そのため視力が落ちても、お家の中や慣れ親しんだお散歩コースなら、今までと同じように行動できることが多いです。愛犬の行動があまりにも自然なので、目が見えていないことに飼い主さんが気づかないケースもよくあります。
しかし、中には不安を感じやすくなってお外を怖がるようになってしまったり、体を動かしたがらなくなったりする子もいます。そんなときは、愛犬の様子を注意深く観察しながら、ストレスにならない範囲で上手にお散歩に連れ出してあげましょう。
お散歩は続けたほうがいい?
愛犬がお散歩に行きたがらないときは、連れて行くべきかどうか悩みますよね。しかし、愛犬が動きたがらないからといってそのままずっと寝かせておくと、どんどん筋力が落ちて寝たきりになってしまうリスクが高くなります。お散歩で体を動かすと、筋力を維持できるだけでなく、血行がよくなる、昼夜逆転を防ぐ、食欲も湧きやすくなるなど、いいことがたくさんあるので、できるだけ続けてあげてください。
また、外に出て土を踏み、草の匂いを嗅ぐことは、脳にとっていい刺激になり、認知症の予防にも繋がります。体力が落ちてしまって毎日外出することが難しい場合には、できるだけ体調のいい日を見つけて、無理のない範囲で連れ出してあげるとよいでしょう。
まずは動物病院で診てもらう
愛犬がお散歩に行きたがらなくなったら、必ずかかりつけの獣医さんに相談してください。年齢が原因で視力が低下することは多いですが、白内障などの目の病気が原因で視力が落ちているなら適切な治療が必要です。目の病気に限らず、関節炎や椎間板ヘルニア、心臓病などの病気が隠れているかもしれません。
動物病院できちんと処置をしてもらった上で、愛犬が暮らしやすように色々な工夫をしてあげてください。なお、愛犬の視力が低下した時の注意点や、愛犬が過ごしやすいお部屋作りのポイントなどについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
犬も年をとると、徐々に視力が低下していきます。中にはほとんど目が見えなくなることもあるでしょう。そんなとき、飼い主さんがきちんとケアをしてあげれば、今までと同じような穏やかな暮らしを続けていくことが可能です。ここでは、目が見えない愛犬と暮ら[…]
お散歩の環境・方法を見直そう
(画像:Instagram/ @yumiino )
愛犬の視力が低下したら、お散歩に行く時間やルートを見直してみましょう。最初お外を怖がっていても、少しずつ慣らしていけば以前と同じようにお散歩が楽しくなることもあります。
お散歩に行く時間帯を見直す
視力が落ちていると暗い場所が苦手になります。できるだけ明るい時間帯を選んでください。ただし、目が悪いと眩しすぎる場所や直射日光が苦手になります。また、紫外線は白内障を進行させる原因にもなるので注意しましょう。
<飼い主さんたちの工夫>
- 車の来ない時間と道を選び、できるだけ愛犬が好きなように歩けるよう工夫しています。
お散歩コースを工夫する
視力が落ちてきたらお散歩コースを見直すことも大切です。人通りや自転車、車の往来が多いと落ち着いて歩けませんし、思わぬ事故に繋がる恐れもあります。お家の前で歩けなくても、大好きな公園や原っぱでは元気に歩けることも多いので、愛犬が安心してお散歩できるコースを探してあげましょう。
<飼い主さんたちの工夫>
- 愛犬が楽しく歩けるお気に入りコースをいつも探しています。いいスポットが見つかったら、そこまで抱っこして連れていきます。
- うちの子は海が好きなので、時間がある時はできるだけ海辺に連れて行くようにしています。
- 転んだときに怪我しないよう、芝生の上だけ歩かせるようにしています。
- 車や人通りを気にしなくていいよう、大きなお庭がある家に引っ越しました。今はお庭で遊ばせています。
五感をフル稼働してお散歩を楽しむ
(画像:Instagram/ @kurousagimap )
視覚がなくなっても他の感覚を頼りにお散歩を楽しんでいる子もたくさんいます。ここでは聴覚や嗅覚、触覚などをフル稼働してお散歩を楽しんでいる子たちのアイデアをご紹介します。
聴覚を使ったお散歩方法
目が見えなくなったときに不安を感じやすくなる子は多いです。大好きな飼い主さんが近くにいてくれると安心するので、飼い主さんがそばにいる気配を上手に伝えてあげましょう。
<飼い主さんたちの工夫>
- 「おいで〜」という声かけと一緒に、鈴の音を鳴らすようにしています。
- 「風が気持ちいいね。」「今日はいいお天気だね。」みたいな感じで、お散歩中はずっと話しかけています。
- たまに立ち止まって歩けなくなることがあるのですが、そんなときは元気よく「よーいドン♪」というと楽しそうに進みます。お散歩中は一緒に楽しむことを心がけています。
嗅覚を使ったお散歩方法
視覚や聴覚と比べて、犬は嗅覚が一番最後まで残ると言われています。嗅覚を上手に刺激してあげると、満足度の高いお散歩になるでしょう。
<飼い主さんたちの工夫>
- 木の枝や尖った葉っぱで目を傷付けるといけないので、帽子を被せたり手で覆ったりして目のガードをしながら、思いっきり匂いを嗅がせてあげるようにしています。
- 毒性がある物には注意が必要だけど、お花や草に近づけて匂いを嗅げるようにしています。
- うちの子は新しい場所が好きなので、こまめにお散歩コースを変えて鼻で楽しめるようにしています。初めての場所は真剣にクンクンしながら楽しんでいます。
触覚を使ったお散歩方法
視力だけでなく聴力も低下してしまったら、ボディタッチによるコミュニケーションがとても大切です。体に優しいハーネスを使って、しっかりリードコントロールをしてあげましょう。予期せぬ事故を防ぐためにも、ノーリードは絶対にやめてください。
<飼い主さんたちの工夫>
- リードを感じやすいようにハーネスをフィットさせています。安心感があるように見えます。
- 愛犬が不安そうにしていたら体をトントンと優しく触って「ちゃんと近くにいるよ」と合図するようにしています。
味覚も大事なポイント◎
体力が落ちてくると長時間の運動は疲れてしまいます。お散歩の途中におやつ休憩を挟んであげたり、落ち着ける場所で日向ぼっこタイムを設けてあげたりすると、適度に休みながら運動できるのでおすすめです。体力が落ちて歩けない子やお外を怖がってしまう子は、無理に歩かせようとしないでお外でおやつを食べるだけでもいい刺激になるでしょう。
また、ピクニックのように外で食事をすると、普段見向きもしない療法食を食べてくれることもあるようです。
歩けなくなってもお出かけに連れ出して
(画像:Instagram/ @erierieri311 )
自力で歩けなくなっても、お外に出て太陽の光を浴び、風を感じて、草木の匂いを嗅ぐことはとても大切です。お家の中でずっと寝ていると、昼夜逆転しやすくなったり、ストレスを感じやすくなったりします。認知症を発症するリスクも高まるので、できるだけ無理のない範囲でお外に連れ出してあげてください。
<飼い主さんたちの工夫>
- うちの子は風を感じるのが大好きなので、カートに乗せて私が走っています(笑)
- 抱っこして散歩することで、景色や匂い、風を感じられるようにしています。
- 歩けない日も抱っこで同じ場所を同じ時間歩くようにしています。
目が見えなくなった子のための便利アイテム
(画像:Instagram/ @maromaromaropyon )
視力が低下した子のためのアイテムが色々と販売されているので、それらを上手に活用するのもよいでしょう。また、100均やホームセンターには様々なものが置いてあるので、ペットグッズに限らず、愛犬のお散歩をより快適にしてくれる便利アイテムが見つかるかもしれません◎
<飼い主さんたちが使っている便利アイテム>
- 我が家では、オーダーメイドのサンバイザー「おでかけキャノピー」を使っています。ツバの部分が物にあたるので、愛犬も自分で危険に気づいて体を守ることができます。
- 光と影の境界でビクッとしたり、眩しい場所で歩けなくなったりしてしまいました。眩しさ対策でツバつき帽子を被せていますが、何かにぶつかる衝撃からも守ってくれるので、お散歩の必需品になっています。
- 愛犬の存在を周囲の人たちにしっかり伝えるためにも、夜は明るい服を着せるようにしています。また、飼い主にもライトを当てて、愛犬から自分の場所がわかるようにしています。
- 頭が下がり気味になって草が目に入りやすくなるので、そういう場所ではバスタオルを広げるようにしています。
最後に
(画像:Instagram/ @ajmachu )
愛犬が高齢になると、視力が低下したり体力が落ちたりして、今までと同じようなお散歩はできなくなるかもしれません。けれど、愛犬の「いま」にしっかり向き合って工夫してあげれば、無理なくお散歩を楽しむことができると思います。これからも無理のない範囲で、愛犬と一緒にお出かけを楽しんでくださいね♪