後ろ足が震えたり、足を引きずるのはなぜ?考えられる原因と対策

年と共に愛犬の歩き方が変化したり、後ろ足の震えが目立つようになっていませんか?後ろ足の震えは老化や寒さだけが原因ではありません。ここでは老犬の後ろ足の震えや足をひきずる原因と、その対策について解説します。

愛犬の後ろ足が震える原因は?

犬の後ろ足が震えている場合、考えられる原因はいくつかあります。原因によって対処法が異なりますので、まずは原因をきちんと把握しましょう。

 老化による筋肉量の低下による震え

老化によって足の筋肉が徐々に衰えていくのは、人も犬も同じです。犬は高齢になると約80%が、後ろ足から弱り始めるとも言われています。足の筋肉量が低下すると、歩くのはおろか立つことも辛くなるため、足の震えが起こりやすくなります。そのため、お散歩を嫌がる場合もありますが、そのまま放っておくと筋肉は衰えていく一方なので、体調を見ながら適度な運動やリハビリを行う必要があります。

恐怖やストレスによる震え

苦手なことや恐ろしいことに遭遇したときに愛犬の足が震えているのは、恐怖やストレスが原因と考えられます。加齢によって視力や聴力が衰えると、余計に不安な気持ちを感じやすくなるので、若い頃より震えることが多くなるかもしれません。ただし、ストレスはシニア犬にとって体調不良を引き起こす原因になりますので、愛犬が落ち着きのない時は優しく声をかけてあげるなどして、できる限り不安を取り除いてあげましょう。

寒さによる震え

(画像:Instagram / @rii.m915

シニア犬は体温調節の機能も低下します。そのため、若い頃よりも寒さを感じやすくなると言われています。また、犬は人よりも地表に近いところで生活するため、気温の低い時期は寒さをダイレクトに感じてしまうのです。秋冬に愛犬が寒がっているようであれば、しっかり部屋を暖めてあげてください。夏の冷房も地面に近い方が冷気が溜まりやすいため、冷えすぎないように気をつけてあげましょう。

また、急激な温度変化も高齢犬にとっては大きな負担となります。室内と外気温の差が激しい時のお散歩には注意が必要です。トイプードルやチワワなどの寒さに弱い犬種は、服を着せてあげるのもオススメです。

病気や痛みで震えることも

病気や痛みも犬の震えを引き起こす原因となります。なかなか震えがおさまらない、震え以外にも症状が出ている場合は注意しましょう。脳、心臓、脊髄、股関節などの病気が隠れている可能性もあります。

痛みから震えているケース

体のどこかに痛みがあると、震えることがあります。例えば、背骨の間にある椎間板が飛び出して脊髄神経を圧迫する椎間板ヘルニアや、脊椎骨の変形により神経を圧迫する変形性脊椎症、関節の軟骨がすり減る関節症などは、シニア犬がかかりやすい病気です。これらの病気にかかると、神経や関節の痛みから震えの症状が現れることがあります。治療によって痛みを和らげ、症状の進行を遅らせることができるので、早めに動物病院を受診しましょう。

痙攣による震え

高齢犬に多い慢性腎臓病や心臓病、てんかん、脳腫瘍などの病気を患っていると、痙攣発作を起こすことがあります。また、十分な食事を食べられていないときも、低血糖症を引き起こして痙攣することがあります。中には短時間で命を落とすケースもあるので、痙攣を起こしているときは速やかに動物病院を受診しましょう。

痙攣による震えは、寒さや恐怖からくる生理的な震えとは明らかに異なり、飼い主さんの目から見ても異常な状態であるとすぐにわかると思います。ただ、寒さで激しく震えている時など、見分けがつかないこともあるので、不安な場合は電話などでかかりつけの動物病院に相談してみるとよいでしょう。

他にも、こんなときは動物病院へ

足の震えは老化現象として現れる場合もあり、全てが命に関わる病気と結びついているわけではありません。しかし、震え以外にも愛犬が足を引きずりながら歩いていたり、触ると痛がったりしたときは注意が必要です。

後ろ足をかばう、引きずる

関節疾患によって痛みが生じると、後ろ足をかばって歩くことがあります。症状が進行して痛みが強くなってくると、地面に触れないように完全に足を上げて歩くようになります。また、椎間板ヘルニアが進行して脊髄が圧迫されると、下半身に麻痺が出て、後ろ足を引きずるようになることがあります。いずれにせよ、足をかばったり引きずって歩くのは何かしらの異常がありますので、できるだけ早く獣医師に診てもらいましょう。

 ふらつく

椎間板ヘルニアや関節疾患にかかると足腰に力が入らず、ふらつくことがあります。また、高齢になると多くなる、前庭疾患が原因のこともあります。体の平衡感覚を司る前庭神経に障害が生じる病気で、耳や脳の腫瘍、内耳炎、外耳炎、外傷などが原因で起こると言われています。特にシニア犬はある日突然、前庭疾患を発症することがあり、検査をしても原因がわからないこと(特発性前庭疾患と言います)もあります。

 足を触ると痛がる

足に触わられるのを嫌がったり、触ったとき「キャン!」と鳴いたりするのは痛みがあるサインです。前述の関節疾患や椎間板ヘルニアの他に、小型犬によく見られる膝蓋骨脱臼や、大型犬に多い骨肉腫の可能性も考えられます。

膝蓋骨脱臼は膝のお皿が外れる疾患で、軽度なものであれば非常に多くの小型犬が持っていると言われています。ジャンプの着地や転倒によって起こりやすく、悪化すると癖になって何度も繰り返すようになるため、適切な対策をして症状の進行を食い止める必要があります。

一方、大型犬に多い骨肉腫は四肢にできる悪性腫瘍です。強い痛みが出る上、すでに肺転移を起こしている可能性が高いので、早急な処置が必要となります。

愛犬の足に異常が見つかったら?

まずは動物病院へ

犬の足の異常に気付いたら、まずは落ち着いて愛犬の状態を観察しましょう。大きな音はしていないか、室内の温度は適切か、触って痛がったりしないかなどを確認してみて、「どこかおかしい」と感じた時は、必ず動物病院へ連れていきましょう。

治療が遅れると症状はどんどん悪化していきますし、痛みが続くことは犬にとって大きなストレスとなります。自宅でどのような対処が必要か教えてもらうこともできるので、まずはかかりつけの獣医師に相談してください。

原因にあわせて適切な対応を

膝蓋骨脱臼だと診断されたら、床に滑り止めを敷く、段差にステップを設置してあげるなど、環境面を整える必要があります。また、関節炎や椎間板ヘルニアが見つかった場合は、しっかりリハビリすることで、痛みを緩和できることもあります。単に年齢的な問題から歩きたがらなくなったとしても、無理のない範囲でお散歩に連れていき、ある程度の運動をさせてあげてください。

最後に

犬にとって、足は生活の質を左右する大切な部位。年を取れば足にも様々な異常が現れるようになりますが、早めに対処できれば、また元気に歩けるようになることもあるので、少しでも気になることがあれば、かかりつけの獣医さんに相談してみましょう。