【モモちゃんの快適な暮らしに学ぶ】犬にとって幸せなシニアライフとは?

今回お話をしてくれた方

今回お話をしてくださったのは、シーズーのモモちゃんと15年7ヶ月の年月を一緒に過ごされた三谷さんです。

三谷家のアイドル、モモちゃん

年齢とともに少しずつ体力が衰えていったモモちゃんは、亡くなる一ヶ月ほど前に脳に腫瘍の疑いありと判断され、親族みんなが集まった日に眠るようにお空へ旅立ちます。

三谷家みんなに愛されたモモちゃん

モモちゃんは三谷さんが中学生の時にお家にやってきたため、家族みんなから愛されていました。モモちゃんと出会い、モモちゃんと一緒に大きくなった三谷さんに、モモちゃんとの暮らしについて伺いました。

 モモちゃんを迎えた時は子どもだった三谷さん

小さな頃から犬好きだった三谷さんは、小学4年生の頃、父親に犬を飼ってほしいと直談判します。父親から返ってきた答えは「10万円貯めたらいいぞ。」でした。小学生の子どもからすると、10万円なんて途方もない金額ですが、三谷さんは欲しいものを我慢して、お小遣いもお年玉も全て貯金し、中学1年生で目標金額を貯金します。どうせ無理だろう、と思っていた父親は、娘の行動に驚きながらも犬を迎えることを許してくれたのでした。

子犬の頃、心雑音が聞こえる

子犬時代のモモちゃん

中学生の三谷さんがお迎えすると決めたのは、小さくて茶色の毛がフワフワしていたシーズーの子犬でした。念願の子犬をお迎えすることができて大喜びするのも束の間、直後に動物病院で心雑音が聞こえると言われます。結局モモちゃんはそのときからずっと心臓の薬を飲み続けることになります。

年齢と共に徐々に体力が落ちていった

薬が功を奏したのか、モモちゃんの心臓はずっと健康でした。ただ、年齢と共に少しずつ体力は落ちていき、やがてごはんを食べなくなったり、トイレを失敗するようになります。信頼できるかかりつけの獣医さんからアドバイスをもらいながら、家族みんなでモモちゃんが快適に過ごせる環境を整えた結果、モモちゃんは再び元気に過ごせるようになります。

脳腫瘍の可能性を指摘される

15歳6ヶ月を迎える頃、モモちゃんはかかりつけの動物病院で脳腫瘍の可能性を指摘されます。このとき三谷さんは積極的な治療をしないという決断をしました。腫瘍の可能性を指摘されてからもモモちゃんは元気に過ごしていましたが、その約1ヶ月後、親族が全員集まった日に安らかに息を引き取ります。

心雑音について

お迎えしてすぐに心雑音を指摘されたのですね。

かかりつけの獣医さんから、モモの心臓から心雑音が聞こえると指摘され、そこからフォルテコールという薬を飲むことになりました。大人になる頃には心雑音はほとんど聞こえなくなっていましたが、飲み続けることでモモの体に負担がかかるような薬ではなかったので、結局ずっと飲ませていました。

獣医さんから薬をやめてもいいと言われたことはありますか?

一度、かかりつけの動物病院が休診日だったので、他の動物病院を受診したことがありました。そのときに診察してくれた獣医さんから、「確かに心雑音は聞こえるけど、薬を飲むほどではないと思うよ。」と言われました。でも心雑音が聞こえるなら、できることはなんでもしてあげたいと思ったんです。なので投薬はやめませんでした。

結局心臓に異常は現れなかったのでしょうか?

避妊手術をしたあとは太りやすくなりますよね?モモも避妊手術をしたあとかなり太ってしまって、今まで以上に心臓に負担がかかるようになってしまいました。でもその時も心臓に異常は見られなかったです。

投薬を続けたことがよかったのか、モモが大人になって心臓が強くなったのかはわかりません。でも、おばあちゃんになってからもモモの心臓はずっと健康なままでした。

シニア時代に突入するまで

モモちゃんはずっと三谷さんのご実家で暮らしていたのですか?

社会人になったタイミングで、私はモモと一緒に実家を出て一人暮らしを始めました。ただ、私が新しく見つけた家は実家と同じ駅でした。両親も祖父母もモモのことが大好きだったので、みんな頻繁に我が家に遊びにきていました。

家族みんなから愛されてました♡

モモちゃんは環境の変化を受け入れてくれましたか?

お留守番の時間が増えたことが心配だったので、お留守番カメラをつけていました。ただ、母が本当にモモのこと大好きで…。仕事中にモモの様子を見ようと思ってカメラを覗くと、仕事帰りの母が勝手に私の家に上がり込んでいたことはしょっちゅうありました(笑)。そんな感じだったので一人暮らし時代は、モモも快適に暮らせていたはずです。それより、私が結婚して出産した後の方がモモにとっては大変だったと思います。

息子さんとモモちゃんの関係はどうでした?

私が息子を出産したとき、モモはかなり歳をとっていました。出産した直後はまだ大丈夫だったのですが、息子が成長して自由に動けるようになるとモモのことを追いかけ回すようになってしまったんです。息子もモモのことが大好きなのはわかるのですが、「優しくしてあげて。」と言って伝わる年齢ではありません。毎日落ち着かないモモの様子を見ているのがかわいそうで…。息子が眠っている時はモモも息子にくっついて眠っていたので、息子のことをものすごく嫌っているわけではなさそうでしたが、それでもモモにとって大きなストレスになっていたと思います。

難しい問題ですよね…。どのように対策されたのでしょう?

最終的にはモモを実家に帰すことにしました。私はずっとモモと一緒に過ごしていたかったのですが、年を取ったモモに負担を強いてまで無理に一緒に暮らし続けるのは、私のエゴではないかと思いました。それに、疲れ切ったモモの様子を見た母からも、「モモがかわいそうだから実家に帰しなさい。」と言われてしまって…。泣く泣く実家に帰すことにしました。

それは辛い決断をされましたね。

子育ての大変さを理由に、実家で愛犬を預かってもらう人もいると思うのですが、正直私はその考え方に抵抗がありました。だって、なにがあっても犬はずっと飼い主さんのことが大好きじゃないですか。だから飼い主側の理由で愛犬を手放すようなことは、絶対にしてはいけないことだと思っていました。でも反対に、飼い主が寂しいからという理由で愛犬と無理に一緒にい続けることも、してはいけないことだと思いました。

実家に帰ってからモモちゃんは落ち着けたのでしょうか?

長年暮らしていた実家に戻ることができて、モモはとても幸せそうでした。慣れ親しんだ場所で穏やかに過ごすモモの様子を見て、あの時実家に帰す決断をして正解だったと思いました。それに実家はフルカーペットなので、モモにとって非常に快適な空間だったと思います。

だけど私が寂しくて寂しくて…。結婚して引っ越した先が実家の隣駅だったので、週3日くらいの頻度でモモに会いに実家に帰ってました(笑)

シニア生活について

モモちゃんのシニアライフで工夫したことがあれば教えてください。

家族みんながモモちゃんファースト♡

15歳を過ぎたあたりからトイレの失敗が増えてきたので、オムツを試してみたんです。でもモモは昔から何かを身につけることが嫌いで、服を着せてもビリビリに破いてしまう子でした。オムツをつけたときもものすごく嫌がって、トイレを我慢してしまうようになってしまったので、オムツは早々に諦めました。モモが嫌がることを無理にしなくても、私たちが掃除すればいいだけの話ですし。

とはいえカーペットを洗うのは大変だったので、楽に後片付けができるように工夫しました。モモの通り道になる部分におしっこシートを並べてズレないようにガムテープで止め、さらにその上をモモが歩いたときに滑らないようバスタオルで覆いました。バスタオルなら汚れてもすぐ洗えるので、安いバスタオルを大量に買って、モモのトイレ専用タオルにしていました。

この間の実家はとてもお客さんを呼べるような状態ではなかったですけど、三谷家一同モモファーストだったので、人と会いたいときはみんな家の外で会うようにして、モモの快適な暮らしを守ってあげました。

モモちゃんのシニアライフで大変だったことはありますか?

あるときからモモが夜鳴きをするようになってしまいました。もともと夜鳴きなんてしない子だったんですけど、夜中になるとずーっと鳴いているらしくて…。私が実家にいるのは日中だったので、私自身はそんなに大変ではなかったのですが、母が少し精神的につらかったようです。もしかしたら認知症かも?と思って動物病院にも連れて行きましたが、はっきりした原因はわかりませんでした。

モモちゃんのシニアライフで失敗したことはありますか?

モモはもともとドライフードがあまり好きではありませんでした。14歳になったあたりからますますドライフードを嫌がるようになったので、それを機に手作り食に切り替えてみました。そしたらモモがすごく美味しそうに食べてくれたので、私もとても嬉しかったです。でもそれが大失敗で・・・。獣医さんに叱られてしまいました。

どうして獣医さんに叱られたのでしょう?

私の作った手作り食が原因で、モモの体重が激減してしまったんです。私が作っていたのは、鳥のささみ肉とブロッコリーとウインナーを小さく刻んで炒めたものでした。ペット栄養学をきちんと勉強したわけではなく、モモの好物を集めただけだったので、栄養バランスもとれていなければ摂取カロリーも全く足りていなかったのです。私は大いに反省して手作り食をやめ、食事をもとに戻しました。カリカリをそのまま与えると嫌がっていましたが、お湯でふやかすとちゃんと食べてくれて、やがて体重も元に戻りました。

フードはずっとカリカリだったのでしょうか?

それから1年くらいはカリカリを食べてくれましたが、あるとき急に食欲が落ちたことがありました。カリカリをふやかしても食べてくれなくて、動物病院に連れていくと脱水症状に陥っていました。獣医さんからは、「年のせいでお水を飲むこともめんどくさくなってきちゃったのかもしれないね。」と言われました。

ヒルズの回復期ケアという療法食をもらったのでそれを食べさせたら食欲も戻り、とても元気になったんです。ただ、その回復食は食べ過ぎると肝臓に負担がかかってしまうので1ヶ月でやめて、それからは流動食に切り替えました。今まで食べていたカリカリをふやかしてミキサーにかけ、シリンジで口の中に入れてるとしっかり食べてくれたので、思った以上にモモに食欲があって私たちも安心していました。

脳腫瘍について

モモちゃんの脳腫瘍はどのように見つかったのでしょう?

年をとって寝ている時間が多くなり、体力も徐々に衰えていましたが、それ以外モモはとても元気なように見えました。食欲もあったし、心臓の状態もよかったし。ただ、定期健診で動物病院へ行ったとき、前足の反応がおかしいと指摘されました。私たちは全く気づけなかったのですが、かかりつけの獣医さんがすぐに異常に気づいてくれて、老化からくるものではなく、脳に異常がある可能性があると言われました。

おそらく、モモが夜鳴きをするようになったのも、腫瘍のせいで脳が少しおかしくなっていたのではないかと思います。

詳しい検査をしなかったのですか?

原因をきちんと把握するためには全身麻酔をしてMRIを撮る必要があると言われました。それで腫瘍が見つかったら、手術も必要になります。しかしモモはもう15歳を過ぎていて、食欲があるとはいえ、自力でごはんを食べることもできなくなっていました。そんな状態のモモに麻酔をかけて痛い思いをさせるのは嫌でした。頑張って治療したところで1年くらい寿命が伸びるだけです。私がモモと一緒にいたいという気持ちを、モモに押し付けてはいけないと思いました。

腫瘍が見つかった頃のモモちゃん

積極的治療も希望されなかったのですね。

脳に腫瘍があることで、モモが苦しんだり痛がったりするのであれば、手術を考えたかもしれません。でも獣医さんが言うには、痛みや苦しみはないでしょうって。実際モモはとっても元気そうでしたし、苦しむ様子も全く見られませんでした。

いつか腫瘍が破裂するかもしれないけど、そのときまで穏やかに暮らせるなら、無理に手術をする必要はないと思いました。これがモモの寿命なんだって、私たちが頑張って受け入れないといけないことだ思いました。

積極的治療について迷いはありませんでしたか?

かかりつけの獣医さんのことをとても信頼していたので、先生の意見も伺いました。先生は「獣医師としては、きちんと検査をして原因を確かめたいという気持ちもあります。でも、もし自分の愛犬がモモちゃんと同じ状態だったら、私も三谷さんのように検査も手術もしないと思います。」と言ってくれました。信頼できる先生にも背中を押されて、私は迷うことなく積極的治療をしないと決めることができました。

眠るように亡くなったモモちゃん

モモちゃんが亡くなったのは突然のことですよね?

11/29に動物病院で健診を受けたとき、モモはとても体調が良さそうでした。獣医さんからも「モモちゃんも無事、年越しできそうですね。」と言われたくらいです。翌日、11/30の午後から私と姉の家族が実家に遊びに行って、そのままみんなで泊まることになっていました。モモは午前中トリミングだったのですが、お家に帰ってきた後もとても元気そうで、みんなに可愛がられていました。

モモは体力が衰えてから、大好きだったベランダ散策をしなくなっていたのですが、その日のモモは珍しく嬉しそうにベランダを散策していて…。びっくりするくらいモモが元気だったので私たちも楽しくて、みんなで素敵な一日を過ごしたんです。その次の日、目を覚ますとモモは眠るように息を引き取っていました。

本当に突然のことでしたね…。

モモはお布団が大好きで、その日の夜も姉が寝ているお布団の上によじ登って一緒に眠っていました。朝目が覚めて、お布団が少し濡れているのに気付いた姉は、モモがトイレを失敗したと思ったそうです。それで、母がモモを抱き上げてお風呂に連れて行くまで、みんなモモが眠っているのだと思っていました。モモはお布団がもこもこしている場所で丸まっていたので、体もまだ暖かかったんですよね…。お風呂場で母が異変に気付いて、そこで私たちは初めて、モモがもう息をしていないことを知りました。

残された側はつらいと思いますが、とても幸せな最期でしたね。

実は私、モモが流動食になったあたりから覚悟はしていて、ずっと心の中で「モモのタイミングでお空に行っていいからね。苦しい思いまでして頑張らなくていいんだよ。」って言い続けてました。それできっとモモは、みんなが集まる日を待っていたのだと思います。みんなにも会えたし、苦しんだ様子もなく、最期は本当に安らかにいけたと思います。

お別れしたときのことを教えてください

モモが亡くなってからのことについて、私は全く考えていませんでした。でも母は私が知らないうちに色々調べてくれていたようです。愛犬を見送った経験のある飼い主さんにも聞いて、評判の良かった「戸田葬祭場」に火葬をお願いしました。とても丁寧な対応で、人間と同じように読経もしてくれて、手厚く供養してくれました。

火葬場で他の飼い主さんともすれ違いましたが、我が家は本当に騒がしかったと思います。私の両親と姉夫婦、姪っ子、私たち夫婦と息子が立ち合い、みんなが見守っている中、モモは火葬炉へ送られました。

モモちゃんとの暮らしで、後悔していることはありますか?

私はモモと出会ったときからずっと、「いつかお別れの時がきたとき、絶対に後悔しないようにしたい。」と思ってモモと向き合って生きてきました。でも、やっぱり実際にモモがいなくなってしまうと、本当にモモは幸せだったかな、って考えてしまうこともあります。モモがいい子すぎて、最期くらいもっとお世話させてくれてもよかったのにって思うこともあります。

でも、私が悲しくて泣いてばかりいたら、きっとモモが心配してしまうでしょう。息を引き取る時ですらモモは誰にも心配かけず、あんなにいい子だったのに、私たちがモモを心配させるわけにいきません。だから、モモがいないことは悲しいけど、これからも家族みんなでモモの思い出を大切に抱えて、みんなで楽しく暮らしていきたいと思います。

15歳7ヶ月でお空に旅立ったモモちゃん