シニア犬に優しいベッドはどう選ぶ?おすすめのベッドもご紹介します!

シニア犬になって寝ている時間が長くなると、血行不良になったり、床ずれになったりするリスクが高くなります。愛犬にリラックスして過ごしてもらうためにも、体にやさしいベッドマットを選んであげたいですよね。愛犬の負担をできるだけなくしてあげるためにおすすめなベッドと、その選び方について、シニア犬の介護に詳しい獣医師の丸田先生に詳しいお話を伺います。

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シニア犬になるとベッドで過ごす時間が長くなりますよね?

寝ている老犬

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シニア犬になるとだんだんと運動量が落ちてきて、ベッドで過ごす時間が長くなります。最近よく寝ているな、じっとしていることが増えたな、などの愛犬の変化を感じたら、まずはかかりつけの獣医師に相談してみましょう。単に体力や筋力の低下が原因のこともあれば、なにかしらの病気が隠れていることもあります。

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眠る老犬

それから、動物病院で原因を把握することとあわせて、環境を見直すことも大切です。今使っているベッドが愛犬の体に合ったものなのか、長時間寝ていても快適に過ごせるかどうかなど、この機会にチェックしてみましょう◎

寝ている時間が長いと床ずれすることもあるのでしょうか?

寝ている老犬

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体の一部分が長い間圧迫されて血行が悪くなると、その部分の皮膚の細胞が壊死して床ずれになることがあります。「床ずれは寝たきりの子がなるもの」というイメージがあるかもしれませんが、寝る時間が長くなっている子も床ずれになる可能性があるので注意しましょう。特に骨が出っ張っていて血行が悪くなりやすいところや、皮膚が擦れたり蒸れたりするところにできやすいです。皮膚が赤くなっていたり、毛が薄くなっていたりしたら床ずれのサインかもしれないので、しっかり様子を見てあげてください。

床ずれは一度なると治りにくく、再発しやすいためきちんと予防してあげる必要があります。床ずれの予防法についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。

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シニア犬のベッドは高反発がいいのでしょうか?

寝ている老犬

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ベッドマットは大きく分けると低反発なものと高反発なものがあります。愛犬の好みや体の状態によって最適なベッドは変わってくるので、それぞれの特徴を知って愛犬の体にあったベッドを選べるようにしましょう。

高反発ベッドのメリット

高反発のベッドは、体が沈み込む低反発のベッドと違い、ある程度の硬さがあるのが特徴です。沈み込みすぎず、体をしっかり支えてくれるので、寝返りがしやすくなるというメリットがあります。普通のベッドではなかなか寝返りを打てなかった子が、高反発ベッドに変えたら自分で寝返りできるようになったというケースもあります。また、丸洗い出来て速乾性のある素材が多いのも嬉しいポイント。

しかし、柔らかいベッドに慣れている子やふわふわした素材が好きな子は、高反発ベッドで寝にくそうにすることがあるかもしれません。そのようなときはクッションや毛布などを使って、体を支えてあげると寝やすくなることもあります。

 

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低反発ベッドのメリット

愛犬の体の形に優しくフィットする低反発ベッドは、とにかく柔らかくて寝心地がいいので、なかなかおさまりのいい寝姿勢が見つけられない子におすすめです。また、保温性があるため寒がりな子にも喜ばれるでしょう。

ただ、足腰が弱くなっていると、柔らかいベッドに足を取られて自力で立ち上がるのが難しくなることもあります。そのせいで動きたがらなくなり、ますます筋力が落ちてしまうという悪循環に陥ることもあるので注意しましょう。また、硬さのあるベッドに比べると寝返りが打ちにくくなるので、筋力が落ちてきている子は床ずれに注意してあげてください。

状況に応じてベッドを選びましょう◎

いつも気持ちよさそうに熟睡してくれる子なら、寝返りのうちやすい高反発のベッドに変えてあげることで、床ずれ予防ができるかもしれません。また、寝たきりになってベッドの上で手足をバタバタさせることが多い子なら、柔らかい素材を使っているベッドにしてあげると皮膚が擦れにくくなります。

このように、愛犬の体調だけでなく、その子の性格や行動、飼い主さんが付き添ってあげられる時間なども考慮して、最適なベッドを選んであげるとよいでしょう。どのベッドを選べばいいか悩んだ時は、かかりつけの獣医さんに相談してみるのもおすすめです。

シニア犬のベッドを選ぶときのポイントはなんですか?

寝ている老犬

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体圧分散性が大切!

長時間圧迫された状態が続くと床ずれの原因となるので、シニア犬のためのベッドを選ぶなら、体の一部分に体重がかからないよう、体にかかる圧(=体圧)を分散してくれるベッドがおすすめです。体圧分散性の高いマットを使うと床ずれしにくくなります。

ちなみに、いくら体圧分散性の高いマットでもマット自体に厚みがないと、横になった時に体が沈み込んで床に当たってしまう可能性があります。体が床に当たると体圧がきちんと分散されないため、ある程度厚みのあるマットを選びましょう◎

通気性のあるものがいい

シニア犬のベッドを選ぶときは通気性がいいものを選んであげてください。血行が悪くなっているところに蒸れが加わってしまうと、皮膚の状態が悪くなりやすいです。蒸れやかぶれも床ずれの原因となるので、湿気がこもってしまわないよう通気性のあるマットを選びましょう。

ただ、シニア犬は体温調節が苦手になるため、通気性のいいベッドは少し寒さを感じやすいかもしれません。お洋服を着せてあげたり、ブランケットをかけてあげたりするなどして、快適に過ごせるよう調節してあげてください。シニア犬の温活についてはこちらで詳しくご紹介しています。

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洗えるベッドが衛生的

シニア犬になるとどうしてもトイレの失敗が増えてきますよね。ベッドが汚れたままだと蒸れやすくなって床ずれのリスクが高まりますし、何より不衛生です。特にオムツをつけられない子の場合は、お手入れしやすいベッドを選ぶとよいでしょう。頻繁に汚してしまう場合は、飼い主さんの負担も大きくなってしまうので、できるだけ楽にお手入れできるものを選ぶことも大切です。

 

シニア犬におすすめのベッドを教えてください

寝ている老犬

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高反発ベッドおすすめ4選

■ユニ・チャームペット からだ想いラボ

ユニ・チャームと獣医師、素材メーカーが協力して開発した素材「高反発クッションブレスエアー(R)」を使用したマットが体圧を分散し、足腰と関節への負担も軽減します。通気性が良く、抗菌・防臭・防ダニ素材で衛生面にも配慮されています。カバーは取り外して洗濯することができるので、お手入れも簡単です。

■<SDPM-001>ペット用床ずれ防止マット

ユニ・チャームと同様、体圧分散性と通気性に優れた「ブレスエアー」を使用した、厚さ30mmのクッション材がしっかり体を支えてくれます。通気性のあるカバーは難燃・消臭の素材を使用していて、滑りにくいので足腰が弱ってきた子でも快適に使えるでしょう。速乾性があるのでマット本体の丸洗いも可能です。小型犬~中型犬におすすめのサイズです。

■ペットケアマットNEO

こちらも優れた体圧分散性、通気性のある「ブレスエアー」を使用しているマットなので、筋力が衰えてきた子でも寝返りや起き上がりがしやすいです。抗菌防臭性能が高く、シャワーでマット本体を丸洗いすることもできます。2層構造にすることで、寝心地や耐久性のアップも叶えました。SSサイズからLサイズまで選べるので、大型犬の子にも嬉しいですね。

■介護マットクッションエアー

厚さ5cmのクッションがしっかりと体を支え、体圧を分散します。マットもカバーも丸洗い可能で衛生的。洗っても素早く乾く通気性の良いファイバーは、アスリートが使うようなマットレスと同等の素材で作られています。表と裏でカバーの柄が違っており両面使用できるので、気分やインテリアに合わせて変えることもできますね。

低反発ベッドのおすすめ2選

■ペティオ老犬介護用床ずれマット

通気性と体圧分散に長けた特殊ウレタンと、形状安定・底冷え防止に配慮した硬質ウレタンの2層構造で弾力性のある厚さ約6cmのマットです。マット本体の上に被せた、ずれにくく肌触りの良いマットタオルは、抗菌消臭加工されており、取り外して手洗いすることも可能です◎マットタオルを使って寝返りの補助もできます。サイズも3種類から選ぶことができるので大型犬の子にもおすすめ。

■unage

適度な硬さと弾力性のあるウレタン素材の上に、柔らかな低反発素材のマットを重ねた厚さ4cmのベッド。低反発マットの部分は表面に凹凸があり、通気性を保ちやすくなっています。低反発ですが沈み込みすぎず、自然な姿勢を保ちやすいです。肌触りの良い柔らかなキルト素材をカバーに使用しており、汚れた時は取り外して洗うことができます。

高級ベッドのおすすめ2選

■エアロウィーヴ

エアロウィーヴ

(画像引用元:airweave

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人間用のマットレスでおなじみのエアウィーブが出している小型犬用マットレスです。厚さ5.5cmの高反発素材を使用していて体圧分散性に優れ、通気性と速乾性のあるカバー、本体はどちらも丸洗いできます。反発力と復元性に優れた素材が、長時間の同じ姿勢や寝返りの負担をやわらげます。明るいピンク色のカバー自体にもクッション性があり、綿も入っているので柔らかな感触です。

■ANBERSO

アンベルソ

(画像引用元:ANBERSO

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3層クッションが優しい寝心地と最高クラスの体圧分散性を実現した、体への負担が少ない高級ベッドです。クッションを上下入れ替えることで愛犬好みの硬さに変えることができます。高反発クッションによくある、動いた際の振動音が最小限に抑えられた素材なので、音に敏感な子にも優しい作り。クッション本体も取り出して丸洗いできて清潔な状態を保ちやすいでしょう。ベッドカバーも着せ替え可能で色や柄、素材など種類が豊富なので季節やインテリアに合わせて変えることができます。

シニア犬のベッドにトイレシートを重ねてもいいですか?

仰向けの老犬

(画像:Instagram/ @turbo_dad

愛犬が高齢になると、寝ている間に粗相をしてしまったり、トイレに間に合わなくてベッドを汚してしまったりすることが多くなりますよね。愛犬のベッドが汚れないように、ベッドの上にトイレシートを重ねている方も多いでしょう。ただ、トイレシートを敷くとベッドの通気性が悪くなってしまうので、できればトイレシートは敷きっぱなしにしない方がいいです。

もしトイレシートを敷きたい場合は、汚れたときすぐにシートを取り替えてあげるようにしてください。お留守番の間など、すぐに取り替えてあげられないときは、ベビー用品のおねしょシーツを活用するのもおすすめです。品質の良いおねしょシーツは、通気性がよくて蒸れにくく、それでいてベッドが汚れないようしっかりカバーしてくれます。

最後に

寝ている老犬

(画像:Instagram/ @hina108arare809

犬によって寝る場所の好みはさまざまですよね。ふわふわ素材が好きな子もいれば、硬めで高反発の素材やさらっとした質感が好きな子もいます。床ずれ予防など、飼い主さんが気をつけてあげないといけない部分もありますが、一番は愛犬がそのベッドを気に入ってのんびり過ごしてくれること。愛犬が毎日を心地よく快適に過ごせるように、愛犬の好みや気分に合わせて数種類のベッドを使い分けてあげるのもおすすめです。