老犬は水を飲まなくなることも。水を飲まないときの対策は?【獣医師が解説】

犬は年を取ると、様々な理由から水を飲まなくなることがあります。ひどいときには脱水状態に陥ってしまうケースもあるので、シニア犬と暮らす飼い主さんは注意して見てあげてください。ここではシニア犬が水を飲まなくなる原因、1日に必要な飲水量、対処法などをご紹介します。

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老犬になると水を飲まなくなることも

犬が一日あたりに飲む水の量は、体重1キロにつき50ml〜60mlが目安です。つまり、体重が5キロの犬の場合は1日に250ml〜300mlの水が必要となります。しかし、高齢になった犬は水を飲まなくなることがよくあります。愛犬の水を飲む回数が減ってきたと感じたら、1日の飲水量をチェックしてみるとよいでしょう。

愛犬の飲水量を調べるには、まずメジャーカップで水の量を測ってから器に入れるようにします。水を取り替えるタイミングで、器に残っている水をメジャーカップに戻せば、どれだけ水を飲んだか簡単に測ることができます。

水を飲まないとどうなる?

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脱水する

水を飲む量が減ってしまうと、脱水状態に陥ることがあります。シニア犬の中には、脱水状態になっていても水を飲もうとしない子もいるので、飼い主さんができるだけ注意して見てあげましょう。以下の症状が見られたら脱水が疑われます。

【脱水の症状】

  • 口の内が乾燥している。
  • 皮膚の弾力がなくなっている。
  • 目がくぼんだように見える。

「もしかして脱水してる?」と思ったら、皮膚の弾力を調べてみましょう。首の後ろの皮膚を軽くつまんで、優しく5センチほど持ち上げ、手を放します。正常な場合は1.5秒以内に元の状態に戻りますが、なかなか戻らず、2秒以上かかるようなら脱水を疑いましょう。

尿路系の病気のリスクも高まる

水を飲まなくなると尿が濃くなり、尿管や膀胱などに結石ができやすくなります。結石は、尿の中に含まれるミネラルが結晶化して石のように固まったもの。結石ができると尿路閉塞を起こしたり、腎臓病を発症するリスクも高まるので、そういった病気を予防するためにもきちんと水分を摂取することは大切です。

便秘がひどくなることも

水を飲む量が減ると、体は必要な水分を確保するために排出する水分量をできるだけ減らそうとします。その結果、便に含まれる水分が少なくなり、便秘になってしまうこともあります。ひどいときには動物病院でうんちを出す処置が必要になることもあるので注意しましょう。

老犬が水を飲まない原因は?

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シニア犬が水を飲まなくなる原因はさまざまです。単純に体を動かすのが億劫で水飲み場に行きたがらないこともあれば、喉の渇きに鈍感になって、水分が不足していることに気づかないケースもあります。

歯周病など、口内環境の悪化による痛みから水を飲まなくなることもありますし、足腰の筋力が弱ったり、関節に痛みが出ていて、水を飲む体勢を維持することが難しくなっている場合もあります。

愛犬が水を飲まないときの対策

愛犬が水を飲まなくなってきたときは、「きっと喉が乾いていないのだろう。」で済ませず、状況に合わせて適切な対策をしてあげてください。ここでは自宅でできる対処法をご紹介します。

水の器を複数の場所に設置する

もし、いつも愛犬が休んでいるベッドから水飲み場が離れている場所にあるのであれば、ベッドの近くにも水飲み場を作ってあげましょう。その他、愛犬のよくいる場所や通り道などにも水の器を設置してあげます。どこにいても水が飲めるようにしておけば移動の負担を減らせるので、めんどくさがって飲まないことも少なくなるはずです。

水を飲む環境を見直す

水飲み場を増やすことと合わせて、水飲み場の環境も見直してみましょう。たとえば、筋力の低下によって水を飲む姿勢を維持することが難しくなっているのなら、地面まで頭を下げなくていいように台の上に水の器を置いてあげたり、足元に滑りにくい素材を敷いてあげたりすると改善することがあります。

フードの水分量を増やす

それでもなかなか水を飲んでくれないときは、フードの水分量を増やすのも1つの手です。たとえば、ドライフードにお湯をかけてふやかしたり、ウェットフードに切り替えたりすると食事から摂取できる水分量を増やすことができます。無糖ヨーグルトや茹でた野菜などをトッピングしたり、スープなどを手作りしてあげるのもおすすめです。

ただし、食事の水分量を増やすと必然的に食事の量が多くなってしまいますので、食欲が落ちている犬の場合は食欲とのバランスを取りながら、水分量を増やしてあげてください。

お水を口元まで運んであげる

犬が自力で水を飲まないときは、飼い主さんがサポートしてあげましょう。愛犬の口元まで水の入った器を運んであげたり、シリンジで口の中に水を注いであげたり、愛犬の状態に合わせて飲ませ方を工夫してあげるといいです。

ただし、飲み込む力が衰えたシニア犬は誤嚥性肺炎を引き起こしやすいため、サポートするときは十分に注意してください。誤嚥性肺炎は水や食べ物が気管に入ってしまうことから発症する肺炎で、特にシニア犬の場合は命に関わるケースも少なくありません。誤嚥性肺炎を防ぐための注意点はこちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひ合わせてご覧ください。

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もしも愛犬が脱水していたらどう対応する?

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愛犬が脱水していることに気づいたら、どのように対処したらいいのでしょうか?ここでは自宅でできる処置の仕方や、動物病院へ連れていくべきタイミングなどを解説します。

少しずつお水を与える

愛犬の脱水に気づいたら、まずは水を少しずつ与えてみましょう。水分補給ができるようなら、そのまま様子を見ていても構いません。水を飲むことを嫌がる場合は、ペット用のスポーツドリンクや経口補水液などを与えるのも1つの手です。愛犬が年を取ってきたら、これらのアイテムを常備しておくといいかもしれませんね。

尚、人間用のスポーツドリンクには塩分や糖分が多く含まれているため、自己判断で与えるのはやめましょう。どうしても水を飲んでくれないときは、かかりつけの動物病院に連絡して指示を仰ぐようにしてください。

こんなときは動物病院へ

1日以上ほとんど水を口にしていない、お水を与えても飲もうとしてくれないときは早めに動物病院へ連れていきましょう。また、下痢や嘔吐が1日以上続いた時もやはり動物病院に連れて行ったほうがいいです。下痢や嘔吐によって急激に体の水分が失われると、重度の脱水状態に陥る可能性があるからです。

脱水が進行すると意識がなくなったり、命に関わる危険があるので、重症化する前に動物病院へ連れて行ってあげてください。動物病院では点滴で水分や電解質を補う処置をしてくれるでしょう。

最後に

愛犬の健康を維持するためには、適切な水分補給がとても大切です。愛犬が年を取ってきたら日々の飲水量と合わせて、普段から水をきちんと飲めているか、水を飲みにくそうにしていないかなどをチェックし、体調の変化にいち早く気づいてあげるよう心がけましょう。