シニア犬の体に優しいマッサージのやり方と注意点【獣医師監修】

シニア犬は寝ている時間が長くなり、体を動かす機会も減るため血行が悪くなりがちです。飼い主さんが優しくマッサージしてあげることで、血流を促すだけでなく愛犬のストレスを緩和してあげることもできます◎ここではシニア犬のマッサージのやり方について解説します。

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シニア犬にマッサージがオススメな理由

マッサージには愛犬の凝り固まった筋肉をほぐし、血行を促すなどの効果があり、特に体を動かさなくなるシニア犬にはとてもオススメです。シニア犬にとってどのような効果があるのか、具体的に見ていきましょう。

血行促進の効果

シニア犬は運動量が低下し、寝ている時間が長くなるため血液の循環が悪くなりがちです。血液循環が悪くなると、足先など末端が冷たく感じたり、様々な臓器の機能が低下してしまいます。マッサージをすることで、表面の毛細血管が刺激され、血液循環を良くすることができます。また、血管の近くには老廃物を運んだり免疫にも関与するリンパ管があるので、リンパの流れを良くすることにもつながります。

関節のこわばりを解消

シニア犬は運動する時間が減るため、関節のこわばりが出やすくなります。マッサージで全身の血行をよくし、筋肉をしっかりほぐして、関節のこわばりを解消してあげましょう。特にお散歩前にマッサージをして筋肉をほぐしておくと、関節にかかる負担を減らすことができます。

ただし、すでに関節に痛みが出ている場合はマッサージをすることで悪化してしまうこともあります。痛みがありそうな時は無理をせず、かかりつけの動物病院に相談してみましょう。『【獣医師監修】シニア犬に多い関節炎。症状や治療法、お散歩時の注意点など』の記事も合わせて読んでみてください。

便秘を解消

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シニア犬は足腰の筋肉や腹筋が衰え、胃腸の運動も低下してしまうことから、便秘しやすくなります。あまりにひどい時は動物病院でウンチを取り出す処置が必要になることもあります。愛犬のおなかを優しく撫でるマッサージには便秘解消の効果がありますので、愛犬が便秘がちになったと感じたら、ぜひ取り入れてみてください。

病気の早期発見につながる

マッサージで毎日愛犬に触れていると、シコリ、イボ、リンパ節の腫れなどの体の異変や体調不良にいち早く気付くことができます。特に日中のほとんどを寝て過ごすシニア犬の場合、見ているだけで体の異変に気付くのは難しいこともあります。マッサージを習慣化して毎日スキンシップをしていれば、愛犬の異変に早く気付けるようになるでしょう。

ストレス発散できる

視力や聴力が低下し、思うように体を動かせなくなったシニア犬は、若い頃よりも不安やストレスを感じやすくなります。そんな時、飼い主さんからマッサージをしてもらうことで気持ちが安らぎ、いい気分転換にもなります。マッサージで愛犬とスキンシップを取ることは認知症予防にも繋がると言われているので、愛犬の寝ている時間が長くなってきたと感じたら、ぜひ積極的に取り入れてみましょう。

シニア犬にマッサージをするときの注意点

嫌がることはしない

愛犬にマッサージをする上で大切なのは、絶対に無理をしないということです。体を触られることに慣れていない犬に長時間マッサージをしたり、嫌がっている場所を無理やりマッサージをするのは絶対にやめましょう。

特にシニア犬の場合、ストレスが原因で急激に体調が悪化することもあります。愛犬が心地よいと感じる範囲で、無理なく取り入れてあげてください。慣れてきてから少しずつ時間を伸ばしたり、マッサージの範囲を広げていくといいですよ◎

力を入れない

初めてマッサージをするときは力を入れず、毛並みに沿って撫でるように行いましょう。全身を優しく触って、骨格や筋肉の位置を確かめてみるのもオススメです。撫でたり、ブラッシングをするだけでもマッサージ効果を得られます。慣れてきたら優しく揉んだり、皮膚を軽くつまんだりしてみましょう。

こんなときはマッサージをしてはダメ!

食事の前後にマッサージをすると消化を妨げる原因となります。シニア犬は消化吸収機能が衰えていることも多いので、食事の1時間前後は避けてください。また、体調が良くない時、体に痛みがある時もマッサージはお休みしましょう。リハビリ目的でマッサージをする際は、必ず獣医師の指示に従ってください。

尚、愛犬に持病がある場合は、マッサージをしても問題ないか事前にかかりつけの獣医師に確認を取っておくと安心です。

愛犬が喜ぶマッサージのやり方

マッサージを始める前の準備

愛犬にマッサージをする時は手を清潔に洗い、時計や指輪などのアクセサリー類を外します。愛犬がソワソワしているようなら落ち着くのを待ちましょう。シニア犬は視力や聴力の低下から飼い主さんの存在に気付けないこともあるので、愛犬に触れる時はいきなり後ろから手を伸ばすのではなく、愛犬の顔の前で手を見せてからゆっくり優しく触ってあげてください。事前に飼い主さんの手を温めておき、触ったときに静電気が起きないよう飼保湿しておくことも大切です。

マッサージのポイントを部分別に解説!

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背中のマッサージ

愛犬が「伏せ」の状態をしているときに、首から腰までの背骨をなぞるように優しくマッサージしていきます。はじめは背骨に沿って数回手のひらで撫でるだけで十分。慣れてきたら指を立てて、背骨の両サイドを撫でるようにマッサージしてあげてください。

首のマッサージ

犬は飼い主さんを見上げる姿勢を取ることが多いため、首周りの筋肉は疲れが溜まりやすいです。犬の首の後ろに手を当て、筋のように感じる部分を優しく指で挟むようにして揉んでみましょう。慣れてきたら軽くつまんでみると気持ちよさそうにしてくれると思います。喉を押すと苦しくなるので、首の背面から側面にかけてほぐしていきましょう。

耳のマッサージ

犬は耳がよく動く生き物なので、耳周辺の筋肉は緊張して疲れやすい部位です。丁寧にマッサージしてあげましょう。まずは親指と人差し指で犬の耳を包み込むように挟みます。親指で耳の根本を優しく撫でるように刺激してみましょう。その後は耳の先の方へ親指を滑らせて、さするようにマッサージをしてあげてください。

目の周りのマッサージ

両手で愛犬の顔を挟むように固定したら、親指を使って目の周りを覆っている硬い骨に沿ってマッサージをしてみましょう。目の上の内側から外側(人間でいう「眉間から眉尻に」)、目の下の内側から外側に向かって優しくなでるようにマッサージをするとツボを刺激することができます。

お腹のマッサージ

骨で守られていないお腹は犬にとって非常に敏感な部分です。胸と腹部は毛並みに沿って手のひら全体でゆっくり数回撫でてあげましょう。おへそを中心に手のひらで時計回りに円を描くように撫でる「の」の字マッサージもオススメです。愛犬が寝ているとき、飼い主さんに抱っこされてリラックスしているときなどに取り入れてみましょう。内臓を優しく刺激することができます。

足のマッサージ

前脚、後ろ脚ともに毛並みに沿ってマッサージするのがコツです。犬が横向けでリラックスしている状態から始めます。

前脚のマッサージは肩から足先に向かって行います。まずは手のひら全体を使ってゆっくり数回撫でてあげましょう。前脚の付け根あたりを手のひら全体で軽く握るようにしながら下へスライドしていくと血液循環を良くすることができます。後ろ足のマッサージはお尻から足先に向かって行います。お尻付近を指で優しくマッサージしたら、そのまま足先へ流すようにさすってあげましょう。

肉球のマッサージ

足先を親指と他の指で挟み込むように持ち、肉球をプニプニ押してみましょう。慣れるまでは足先をゆっくり握ってゆっくり手を離すだけでも血行促進になります。嫌がらないようなら、指を広げるように肉球を親指で押し広げるのもオススメ。立ち上がりな苦手な場合はこのマッサージで改善することがあるので、ぜひ試してみてください。ただし、足先は敏感な部分なので触られるのを嫌がる犬も多いです。様子を見ながら無理のない範囲でマッサージをしてあげてください。

最後に

(画像:Instagram / @izumi320

愛犬にマッサージをしていると、一段と愛情が深まっていくのを感じることがあるかもしれません。実は愛犬をマッサージすることで、飼い主さんの脳内で幸せホルモン「オキシトシン」が分泌されると言われています。ぜひ日々の生活の中にマッサージを取り入れて、幸せなシニアドッグライフを楽しんでくださいね。