愛犬が目の病気にかかったとき、必要になる目薬。しかし愛犬が目薬を嫌がり、苦戦している飼い主さんも多いのではないでしょうか。ここでは愛犬に上手に目薬を差す方法を解説していますので、困っている方はぜひ参考にしてみてください。
犬にも目薬が必要な時がある
シニアになると、犬も目の病気を患うことが多くなります。以下は高齢の犬によく見られる目の疾患です。
- 結膜炎
- 角膜炎・角膜潰瘍
- 眼瞼腫瘤
- 白内障
- 緑内障
- ぶどう膜炎
- ドライアイ
こういった目の病気では、治療の一環として目薬を使うことが多いです。目薬には症状の進行を遅らせるものや合併症を予防するもの、眼球を乾燥から守るためのものなど様々な種類があります。症状によって処方される目薬は異なりますので、必ず獣医師の指示に従って使用しましょう。
目薬を嫌がる犬は多い
初めてみる目薬の容器を怖がったり、目薬を差された後の違和感や刺激を嫌がる犬は多くいます。一度嫌な思いをすると次回からは目薬の容器を見ただけで逃げ出したり暴れたりすることもあります。
犬は目薬がなにか理解できない
目薬は目の治療のために必要なものですが、犬にはその目的が理解できません。突然先端の尖った物体を目に近づけられたら、怖いと思うのは当然ですよね。「ちゃんとしなくちゃ!」という気持ちから飼い主さんが必死になればなるほど、その緊張感が犬にも伝わって逆効果です。まずはリラックスした状態で、目の付近を触られることに慣れさせてあげましょう。
無理に固定しないで
愛犬が目薬を嫌がって暴れるからといって、無理に体を固定することだけは絶対にやめましょう。強い力で体を押さえこんだり、マズルを掴んだりしてしまうと、それが嫌な思い出となり、さらに目薬が嫌いになってしまいます。また、無理やり押さえつけることは犬に大きなストレスを与えてしまいます。シニア犬はストレスを感じると体調を崩しやすくなりますので、特に注意してください。
冷たい目薬は少し温める
要冷暗所保存の目薬や開封後しばらく使用しない目薬は、冷蔵庫で保存する必要があります。しかし冷蔵庫から出したばかりの目薬を使用すると、冷たさに犬がびっくりして余計に目薬を嫌いになってしまう可能性があります。事前に容器を手に握り、少し温めてから目薬を差すようにしましょう。
上手な目薬の差し方
目薬を上手に差すコツは、犬を怖がらせないことです。おやつなどを使って、目薬に対する苦手意識をなくしてあげてください。
目薬なしで練習開始!
最初は目薬を使わず、愛犬のまぶたを開ける練習から始めましょう。
- 愛犬をおすわりさせ、後ろから優しく抱きしめます。年を取ると視力や聴力が低下し、飼い主さんの接近に気付けないことがあります。いきなり後ろから触るとびっくりさせてしまうことがあるので、必ず先に声をかけてから触るようにしましょう。
- 抱っこ、もしくは膝の間に犬の体を固定しながら体を優しく撫で、徐々に犬の首から顔の方へ手を移動させます。愛犬に後ろから顔を触られることに慣れてもらいましょう。
- 片手であごの下を支え、優しく上をむかせます。嫌がるようならおやつを使うといいでしょう。おやつを愛犬の顔の前に持っていくと、おやつに注目しようとして上を向いてくれます。
- 親指と人差し指で愛犬のまぶたを優しく開けます。
この状態で嫌がらなくなったら成功です!
目薬を差す時の注意点
まぶたを開けることに慣れたら目薬を差します。目薬を差すときは目薬の容器が犬から見えないよう、視界の外側から差すようにしましょう。目薬は5分ほどで眼の中まで浸透します。2種類以上目薬を差す際は、5分以上間隔を開けてから差すようにしてください。また目薬の容器の先が愛犬の眼や毛に触れてしまうと、細菌が目薬の中に入ってしまい、点眼液が汚染される原因になります。点眼するときは容器をある程度目から離すようにしましょう。
上手にできたらしっかり褒めて!
目薬を上手く差せたら、愛犬をしっかり褒めてあげてください。普段よりちょっと豪華なオヤツをあげたり、「えらいね、よく頑張ったね。」と優しい言葉をかけてあげましょう。きっと次回も頑張って目薬を差すことに協力してくれるはずです。
人間用の目薬を使っても大丈夫?
人間用の目薬の中には、犬用の目薬と同じような成分を配合しているものもあります。しかし、治療で使用する目薬は疾患や使用目的によって異なりますので、勝手な判断をせず動物病院で処方される目薬を使うようにしてください。
ただ、単に目にゴミが入って犬が痛がっている場合は、手作りの目薬で対応することもできます。目薬の作り方は精製水100mlに対し、塩1gを混ぜるだけ。綺麗な容器に入れてご使用ください。保存料が入っていないので、使い捨てにしましょう。
最後に
愛犬の目の病気や怪我を早く治すために欠かせない目薬。上手に差すコツは愛犬を怖がらせないよう工夫することです。犬にとってストレスとならないよう、無理せず練習してあげてください。