シニア犬にサプリメントは必要?効果や注意点は?

サプリメントは体に必要な栄養素を補完的に補うことができるため、動物病院でも使用されることが増えてきています。ここではシニア犬におすすめなサプリメントと、その効果についてご紹介します。

犬にもサプリメントを与えたほうがいい?

犬にとって必要な栄養素は、年齢に応じて変化していきます。そのため、年をとったらフードをシニア犬用のフードに切り替える必要があるのですが、ドッグフードだけでは必要な栄養を完全に補うことができないこともあります。そのため、補助的にサプリメントを利用する飼い主さんが増えているのです。

そもそもサプリメントとは

サプリメントとは栄養補助食品や健康食品に数えられるもので、言葉の通り食品の分類となり、医薬品とは異なります。あくまで食事の補助的な役割を果たすものであり、食事の代わりになるものでもなければ、病気の治療ができるものでもありません。

犬用サプリメントの効果

サプリメントによって得られる効果は人も犬も同じです。例えば人の場合、口内炎ができるとビタミンBが配合されたサプリメントを摂取して、症状の改善を図りますよね?犬の場合も同じで、サプリメントを摂ることで、栄養不足が原因で現れている症状を改善することができます。また、サプリメントは事前に摂取することで、病気の予防に役立つこともあります。

シニア犬におすすめのサプリメント

いざ愛犬にサプリメントを与えようと思っても、種類がたくさんあるためどのような物を選べばいいか、悩んでしまう方もいらっしゃると思います。ここではシニア犬に現れがちな症状別に、どのようなサプリメントを選べばいいのかご紹介します。

関節に効果的なサプリで足腰の健康を維持!

関節炎やリウマチは、高齢の犬が発症しやすい疾患です。犬の関節を構成するコラーゲン、グルコサミン、コンドロイチンは、加齢とともに体内での合成量が減ってしまうため、これらの成分を摂取することで健康な関節を維持することにつながります。

皮膚トラブルに効果的なサプリ

シニア犬は血行が悪くなったり、新陳代謝が低下しやすくなるため、皮膚が乾燥して痒みが出たり、毛がパサつく、肉球が割れてしまうなどのトラブルを起こしやすくなります。このような症状を改善するには血行や新陳代謝を促進する効果のある亜鉛、ビタミンE、DHA/EPAなどを摂取するとよいでしょう。

肝臓をいたわるサプリ

肝臓は沈黙の臓器と呼ばれており、症状が現れた時には病気がかなり進行している場合もあるため、日ごろから肝臓を労わってあげることが大切です。良質なたんぱく質(特にBCAA=バリン、ロイシン、イソロイシン)や亜鉛、ビタミンBなどは肝機能を助ける働きがあります。また、アミノ酸の一種であるSAMe(Sアデノシルメチオニン)にも肝機能の回復や維持を促す効果があると言われています。SAMeは犬の体内でも合成されますが、加齢とともに合成量が減るためサプリメントで補ってあげるといいでしょう。

目のケアもサプリで

老齢性の白内障は、体内に活性酸素が増えてしまうことが原因の一端になると言われています。活性酸素を減らすには抗酸化物質を摂取するとよいため、ルテインやアントシアニン、アスタキサンチンと言った抗酸化成分を摂取するのがよいでしょう。

認知症の症状緩和にも

犬も高齢になると認知症を患うケースが増えています。認知症を発症する原因の一つに、神経伝達が上手くいかないことが挙げられているのですが、これを改善するのによいと言われているのがDHA、EPAといったオメガ3脂肪酸です。DHAには脳の神経細胞を活性化し、神経伝達をスムーズにする効果があると言われていますし、EPAは体内でDHAに変換されるため、同様の効果が期待できるでしょう。

サプリメントの与え方

サプリメントは犬にもストレスなく、継続して与えることが重要です。愛犬が嫌がっているにも関わらず、無理矢理口を開けてサプリメントを与えようとすると、そのうちサプリメントを見ただけで逃げるようになってしまうこともあります。サプリメントは一回摂取して終わりではなく中長期的に続けることで効果を発揮することが期待されるため、決して無理をしないようにしましょう。

基本はごはんに混ぜて

愛犬にサプリメントを与える時は、食べ慣れているドッグフードに混ぜて与えてみましょう。効果が同じであっても、メーカーや商品によって味や食感が異なる場合があるので、愛犬の好みの味や食べやすそうな物を選んであげるとよいでしょう。

愛犬に最適なサプリメントを選ぶ

愛犬の健康にいいと聞くと、つい色々なサプリメントを与えたくなるかもしれませんが、一つのサプリメントに複数の成分が配合されている場合も多いので、何種類も与えると過剰摂取になる可能性があります。サプリメントは愛犬の症状に合ったものを厳選して与えるようにしましょう。基本的には飲ませ始める前に、かかりつけの獣医師に相談してサプリメントを選択されることをおすすめします。

サプリメントを与えるときは事前に獣医師に相談を

持病があり薬を服用中の場合や、療法食を食べている場合には、自己判断でサプリメントを選ばず、必ず獣医師に相談をするようにしましょう。薬に含まれる成分によっては、サプリメントを摂取することで効果が薄れてしまったり、逆に強く出てしまう恐れがあります。

また、病気の治療中でなくても、シニアになると様々な病気にかかりやすくなります。健康だと思っていた犬が、定期検診で病気が見つかることも少なくありません。サプリメントによっては隠れている病気に悪い影響を与えてしまうこともあるので、新しいサプリメントを試したいときは事前にかかりつけの獣医師に相談しておいたほうが安心です。

カルシウムの過剰摂取に要注意!

骨や歯を丈夫にする働きのあるカルシウムは、シニア犬には必須の栄養成分だと考える方もいらっしゃるでしょう。しかし、犬は血液中のカルシウム濃度が高くなりすぎると高血圧や不整脈、嘔吐や食欲不振を引き起こしたり、骨の形成異常や体内の石灰化を発生させる可能性があると言われています。ドッグフードにもカルシウムは含まれているので、サプリメントまで与えてしまうと過剰摂取になる恐れがあります。

また、高齢犬で発症しやすい腎不全や腫瘍、副腎皮質機能低下症(アジソン病)にかかると、血中のカルシウム濃度が高くなりやすいため、獣医師によって処方された場合を除いて、安易にサプリメントを与えないほうがよいでしょう。

獣医師おすすめのサプリメント8つ

獣医師が現場で使っているサプリメントなら、愛犬にも安心して与えられそうですよね。ここでは、獣医師がおすすめするサプリメント7種をご紹介したいと思います。

メニわんEyeシリーズ(メニワン)

抗酸化作用のあるブドウ種子エキスやアスタキサンチン、ビタミンEが配合されており、白内障や網膜変性と言った目の疾患を予防する効果が期待できます。公式ホームページはこちら。

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デンタルバイオ(共立製薬)

人や動物の体の中で有益に働く細菌であるプロバイオティクスや、母乳などにも含まれるたんぱく質の一種であるラクトフェリンが含まれています。これらの成分は口の健康維持に役立つため、歯周病予防や口臭改善の効果が期待できます。

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ジルケーン(ゼノアック)

牛乳や母乳に含まれるカゼインが含まれています。カゼインには不安や恐怖によるストレスを緩和する効果があると言われていることから、問題行動や分離不安症を抱える犬に処方されることが多いサプリメントとなっています。

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モエギタブ(共立製薬)

オメガ3脂肪酸(DHA、EPA)を含むモエギイガイと魚油を配合しており、認知症の予防を始め、皮膚や関節、心血管の健康維持に役立ちます。

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アンチノール(ベッツペッツ)

認知症の予防に効果的なオメガ-3脂肪酸を含む、91種類の脂肪酸を凝縮させたサプリメントです。認知症の予防以外に、関節や気管、腎臓の健康維持の効果が期待されています。

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ペットヘルス(サントリー)

脳の神経細胞の生成を促す働きのあるオメガ3脂肪酸(DHA、EPA)とアラキドン酸(ARA)に、この2つの成分の酸化を防ぐアスタキサンチンが配合されています。認知症の予防や脳の健康維持に効果が期待できます。

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ダスクイン(バイエル)

純度99%のグルコサミンと、純度100%の低分子量コンドロイチン、ASU(アボカド大豆不鹸化物)が配合されており、関節の健康維持をサポートします。タブレットタイプとパウダータイプの2種類があり、タブレットタイプにはさらにモエギイガイも配合されているため、DHAやEPAなどのオメガ3脂肪酸も同時に摂取することができます。老齢性関節炎、多発性関節炎、椎間板ヘルニアなどの症状改善に効果があると言われています。こちらは動物病院のみで販売されています。

 

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プロモーション(共立製薬)

軟骨の生成に必要不可欠であるグルコサミンやコンドロイチンを始めとして、コンドロイチンやコラーゲンの生成に関わるメチルスルフォニルメタン(MSM)、オメガ3脂肪酸が配合されており、関節炎や椎間板ヘルニアなどの症状改善に効果が期待できます。

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犬用サプリメントの人気ランキングをチェック

ここでは飼い主さんたちの間で人気のサプリメントをご紹介します。ただし、新しいサプリメントを試すときは事前にかかりつけの獣医さんに相談しておくようにしましょう。

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最後に

愛犬の健康維持のためにサプリメントを利用する時は、やみくもに与えるのではなく、犬の症状に合わせて選ぶ必要があります。自分で判断できないときや、持病があって薬を服用している場合は、獣医師に相談をして決めるとよいでしょう。