シニア犬はお家の中で家具や壁に頭をぶつけたり、お散歩中に縁石などの障害物にぶつかったりすることがあります。愛犬が物にぶつかるようになったらどんな対策をすればいいのか、シニア犬の介護に詳しい丸田先生にお話を伺います。
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老犬になると物や壁にぶつかるように…
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シニア犬はおうちの家具や壁、お散歩道の縁石などにゴツンゴツンとぶつかるようになることがあります。当たりどころが悪いと、ぶつかったときに目などを怪我してしまうこともあるので注意しましょう。
また、高齢になると家具などの隙間に挟まって身動きが取れなくなることもあります。初めて愛犬が挟まっている様子を見ると飼い主さんの方が驚いてしまうかもしれませんが、シニア犬には比較的よくあることなので落ち着いて助けてあげてください。
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老犬になってぶつかるようになるのはなぜ?
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シニア犬が物にぶつかるようになる原因はさまざまです。原因によって対策が変わってくるので、まずはなぜ愛犬がぶつかるようになったのか知ることが大切です。
ぶつかる原因① 視力の低下
犬は病気や加齢が原因で視力が低下しても、住み慣れたお家の中やいつものお散歩ルートでは、記憶を頼りにある程度は障害物を避けることができます。とはいえ、視力が低下すると色々な場所にぶつかりやすくなるので、愛犬の通り道に荷物を置いたり、大きく部屋の模様替えをしたりするのはやめましょう。お散歩中も尖った葉の先や木の枝などで目を傷つけることがあるので注意してあげてください。
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ぶつかる原因② 足腰が弱くなる
シニア犬になって運動量が低下すると、筋肉が徐々に衰えていきます。特に後ろ足の筋力が落ちると、立ち上がる際によろめいたり歩いている途中でふらついたりして、壁や家具などにぶつかることが多くなります。また、シニア犬に多い椎間板ヘルニアや関節疾患などがあると、動いた時に痛みが出るため、歩き方に違和感が現れることもあります。
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ぶつかる原因③ 後ろ歩きが苦手になる
犬は本来、壁や家具などにぶつかりそうになったら、歩く向きを変えたり後ろ歩きをしたりして障害物を避けることができます。しかし、シニア犬は後ろ歩きが苦手になることがあり、そうするとうまく方向転換できなくて障害物にぶつかってしまったり、隙間に挟まって身動きが取れなくなったりするようになります。このような時は愛犬が安心して過ごせるよう、お家の環境を整えてあげましょう。尚、後ろ歩きができないのは認知症が原因かもしれません。愛犬の様子をしっかり観察してあげてください。
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老犬が物にぶつかるようになったらどうすべき?
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まずは動物病院で診てもらう
愛犬が物にぶつかるようになったら、まずは動物病院を受診しましょう。ぶつかる原因に応じて必要な対策が変わってきますし、何より病気が隠れている可能性があるからです。白内障が原因で視力が低下しているのかもしれませんし、認知症を発症して後ろ歩きが苦手になっているのかもしれません。もしくは体のどこかに痛みがあって、歩くときにふらついている可能性もあります。こうした病気を見逃すとどんどん症状が進行して、犬自身も飼い主さんも辛い思いをすることになります。早期発見・早期治療のためにも、「年齢のせいだろう」と自己判断せず、必ず動物病院で診察を受けるようにしてください。
視力が低下している時の対策
動物病院で視力の低下を指摘された時は、お部屋環境を見直してみましょう。家具の角など、よくぶつかる場所にはクッションを置いたり緩衝材をつけたりすることで怪我を防げます。また、段差が苦手になる子もいるので、そのような時はスロープなどを設置して、できるだけ自力で生活できる環境を整えてあげてください。
尚、犬は住み慣れた家の中であれば、どこに何があるのか大体把握しています。視力が低下したときは記憶を頼りに行動するため、大きな模様替えはできるだけ避けましょう。愛犬の通り道に荷物などを置かないようにして、足を引っ掛けてしまうコード類も片付けておきます。
愛犬の視力が低下した時の対策については、こちらの記事に詳しくまとめています。お部屋の作り方以外にもお散歩やお食事タイムの工夫なども紹介しているので、ぜひあわせてご覧ください。
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足腰が弱くなった時の対策
足腰が弱くなると立ち上がるのが苦手になったり、ふらついて転んだりするようになります。こうなると犬自身も歩くことを嫌がるようになり、ますます筋力が落ちるという悪循環に陥ります。シニア犬は立てなくなってから短時間のうちに寝たきりになることもあるので、早めにケアしてあげましょう。
まずは歩きやすい環境を整えてあげます。フローリングや摩耗したタイルカーペットの上は踏ん張りにくいので、クッション性のあるペットマットやコルクマットなどを取り入れてみてください。足裏の毛が伸びていると滑りやすいのでこまめにカットし、靴下や滑り止めシールを活用するのもおすすめです。あわせて、無理のない範囲で筋トレを取り入れて、できるだけ筋肉を維持してあげましょう。足腰が弱ってきた時の対策については、こちらの記事でより詳しくご紹介しています。
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後退ができなくなった時の対策
シニア犬になって後退ができなくなると、壁や物にぶつかるようになるだけでなく、家具の隙間などに挟まって身動きが取れなくなることがあります。自力で脱出できないケースも多いので、できるだけそばで見守り、挟まってしまったときは助けてあげてください。外出時や家事の間など、近くにいてあげられないときは、愛犬が挟まりそうな隙間を塞いだり、愛犬が安心して歩けるスペースを作ってあげたりすると安心です。
また、動物病院で認知症と判断されたら脳のケアも大切です。公園や海など、気持ちのいい場所に連れ出したり、おやつの入った知育トイで遊ばせたり、愛犬がワクワクするようないい刺激を与えてあげましょう。
犬の認知症は、一度発症すると治すことのできない脳の病気です。シニア犬に多く見られる病気なので、病気の発症や進行を防ぐためにも、お家でしっかりケアしてあげましょう。ここではシニア犬の介護に詳しい丸田先生に、お家でできる認知症のケアの仕方につい[…]
愛犬から離れるときは専用ルームがあると安心◎
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飼い主さんが近くで見守ってあげられない時は、愛犬が体や頭をぶつけて怪我をしてしまわないか心配ですよね。ここでは愛犬が安心して過ごせるお部屋作りのアイデアをご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
円形サークル
ビニールプール
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ビニールプールを愛犬専用のお部屋にするのもおすすめです。ビニールプールならさまざまなサイズ・形のものがあるので、愛犬の体のサイズや生活範囲に合ったものを選びやすいでしょう。使わないときはコンパクトに収納できるのも魅力です。
ただし、ビニールプールは底面が滑りやすいので、愛犬のお部屋にするときは滑らないようきちんと対策をしてあげてくださいね。
他にもお部屋のアイデアイロイロ♪
■ペット用ごっつん防止シート
壁面に貼るだけで使える、1.5cmの厚みがあるシートです。廊下の曲がり角やよくぶつかる壁面に貼ってあげると、柔らかいシートが愛犬を守ってくれるでしょう。最大60cmまで伸びるので、用途に合わせて使いやすいと思います◎
■Findbetter コーナーガード
赤ちゃんがいるお家でも使える安心安全な素材でできたコーナーガード。家具の角や階段などに取り付けておくと、愛犬の怪我を防いでくれます。カラー展開が豊富なので、インテリアに合わせて選べるのも嬉しいですよね。
■プチプチ
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割れ物などを包むプチプチを活用するのもおすすめです。椅子や机の足に巻いてあげるとぶつかったときに痛くありません。宅急便などに入っているプチプチを活用してもいいですし、ネットなどで購入してもよいでしょう。
■盲目犬リング
■マフィンズヘイロー
(画像引用元: Healthier Market )
デザイン性にこだわるなら、マフィンズヘイローがおすすめです。カラーはホワイトとカモの二色があり、特にホワイトは正面から見ると天使の輪っかのような雰囲気に。サイズはXXS、XS、S、M、Lの5種類あるので、愛犬のサイズに合うものを選んであげてください。
▷ ご購入はこちら
■ドッグバンパー
(画像引用元: Dog Bumper )
ぶつかり防止リングが付いたハーネスは、サイズが合っていないとリングがうまく機能しなかったり、愛犬がつけるのを嫌がったりすることがあります。心配な方はオーダーメイドのハーネスを使うとよいでしょう。ドッグバンパーは金額が少し高めですが、愛犬にぴったりのサイズで作ることができます。
▷ ご購入はこちら
■帽子
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愛犬が嫌がらないなら、帽子を被せてあげるのもおすすめです。つばのついたキャップ型の帽子であれば、日差しや障害物から愛犬の目を守ってくれます。最近はオーダーメイドで作ってくれるところもあるので、そうしたアイテムをうまく活用してください。
他にも、バスマットを繋げて壁を作ったり、クルクル巻いたラグで土手を作ったり、大きなクッションで四方を覆ったり、さまざまなアイデアで愛犬専用のお部屋を作っている飼い主さんがいらっしゃいました!サークルやビニールプールよりも広いお部屋を作りたいときは、こうしたアイデアもぜひ参考にしてくださいね。
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最後に
愛犬が物にぶつかるようになったり、隙間に挟まったりしている様子を見ると飼い主さんも動揺してしまうかもしれません。でもきちんと環境を整えてあげれば、きっと今までと同じように快適に暮らすことができるでしょう。かかりつけの獣医さんにも相談しながら、色々工夫してあげてください。